医療技術

ギターをかき鳴らしながら脳手術 インドで成功 指のけいれん治療で

 インド南部の都市バンガロールで今月11日、脳の障害で指がけいれんするようになったミュージシャンの男性が、問題がある部位を特定するために、ギターを弾きながら脳の手術を受け、見事成功した。このミュージシャンは20日、完治した指で完璧な演奏を披露して、治療チームへ感謝を表した。

 

 ギターを抱えた状態で手術台に上がったのは、ミュージシャンのアビシェーク・プラサドさん(37歳)。中枢神経の障害によって、筋肉が意思とは関係なく動いてしまう音楽家の職業病「ジストニア」によって、2年ほど前からギターを弾くと左手の中指と薬指、小指のけいれんに悩まされるようになった。

 

 さまざまな専門医の元を訪ねた結果、9カ月前にバンガロールの脳神経外科医シャラン・スリニヴァサンさんから、一風変わった手術を提案された。局所麻酔をかけたプラサドさんの頭蓋骨に直径14ミリの穴を開けて特殊な電極を挿入し、ギターを弾いてもらうことで、けいれんを起こしている部位を特定し、「熱で焼く」というものだ。

 

 今月11日に行われた手術は7時間近くに及び、6回目の熱傷で指が正常に動き始めたという。術後9日目の今月20日、このニュースが大々的に報じられると、インド国外からも大いに注目されることになった。

 

 プラサドさんは今や問題なくギターを弾けるようになり、8月半ばからは本格的な演奏活動を再開する予定だという。「この2年近く、満足にプレイできなかった苦しみから1日で解放された。最初にリリースする曲はぜひギターで作りたいね」と意欲的なプラサドさん。

 

 一方、スリニヴァサン医師は、「脳神経外科の分野で私が師事した東京女子医科大学の平孝臣教授に感謝したい」と、手術を成功させた喜びを噛み締めている。

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