健康問題

受動喫煙 大動脈疾患で死ぬリスク2倍に 4万8000人を追跡調査 筑波大

 タバコの煙や他人が吐き出した煙を吸い込む受動喫煙によって、大動脈解離や大動脈瘤で死亡するリスクが2倍以上になることを、筑波大学の研究チームが4万8000人を対象にした追跡調査で明らかにした。受動喫煙が大動脈疾患を引き起こすリスクについて研究したのは世界で初めて。 

 

 受動喫煙が肺がんや心筋梗塞、脳卒中などのリスクを高めることはすでに指摘されているが、大動脈疾患との関係性については、これまで解明されてこなかった。

 

 筑波大の山岸良匡准教授と磯博康客員教授らのグループは、全国45地区の住民4万8677人を、受動喫煙の頻度をもとに3つのグループに分け、健康状態に関する調査を実施。

 

 それぞれのグループを平均16年間にわたって追跡し、大動脈疾患の発症率や死亡率を算出した結果、ほぼ毎日2時間以上、飲食店や職場で受動喫煙にさらされる人は、ほとんどない人に比べて大動脈疾患で死亡するリスクが2.35倍高いことがわかった。

 

 さらに、受動喫煙の程度を家庭内と家庭外に分けて分析したところ、飲食店や職場でさらされる受動喫煙の影響が強い可能性が浮かび上がった。

 

 厚生労働省の調査によると、非喫煙者の約3〜4割が飲食店や職場で受動喫煙に遭遇していることが明らかになっている。厚労省は2019年のラグビーワールドカップの開催に向けて、広さ30平方メートル以下のバーやスナックを除く飲食店や公共施設については、原則禁煙とする受動喫煙防止対策案を公表しているが、自民党の一部の議員の猛反発にあっている。

 

 山岸准教授は、「日本は諸外国と比べて、明らかに受動喫煙対策が遅れをとっている。今回の研究を機に、受動喫煙の有害性が国民の間に広まることを期待している」と述べている。なおこの研究成果は、米国の専門誌『Atherosclerosis』電子版に掲載された。

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