医療技術

健康な人の10倍!12kgに肥大した巨大な肝臓 豪州で摘出手術

 毎日お酒を楽しむ人にとって気になるのが肝臓の機能。「沈黙の臓器」と言われる肝臓は、痛みを感じる神経がなく、機能が低下すると、疲れが取れにくくなったり、二日酔いがひどくなることも…。オーストラリアの医科大に最近、健康な人の10倍近くまで膨れ上がった重さ12キロの肝臓が寄贈された。

 

 オーストラリア北東部クイーンズランド州のクイーンズランド大学医学部の総合病理学学習センターに先月31日、重さ12.08キロの巨大な肝臓が寄贈されることになった。

 

 寄贈主はクイーンズランド州ニュー・ビースに住む女性のフィオナ・マレーさん。25歳で遺伝性の「多発性嚢胞腎(PKD)」を発症し、30代で肝臓にできた嚢胞が次第に大きくなり、靴紐を結ぶためにかがむことすらできなくなった。

 

 多発性嚢胞腎は、腎臓の尿細管の太さを調節するPKD遺伝子の異常によって発症する難病で、一般的に30〜40代の間は症状がなく、血尿の頻度が増え、腎機能検査や超音波検査で診断されることが多い。女性の場合は肝臓の嚢胞が大きくなる傾向があり、マレーさんの場合も、妊娠したようにお腹が大きくなるほど肥大化した。

 

 健康な人の場合、肝臓の大きさは成人男性で1.2〜1.4キロ、女性で1〜1.2キロほどだが、マレーさんの肝臓はその10倍に達した。幸い、2014年に臓器の移植提供者が見つかり、現在のマレーさんはスポーツを楽しみ、野生動物保護のボランティアとしても活躍している。

 

 自分自身は臓器提供者になれないことから、マレーさんは、研究者や将来医師を志す若者のために、摘出した肝臓を大学病院に寄贈して研究に生かしてもらうことを決心したという。

 

 クイーンズランド大学によると、オーストラリアでは国民の3人に1人が、臓器提供の承認登録をしていて、今も1400人以上が臓器移植を待っているという。マレーさんは、自分に肝臓と腎臓を提供してくれたドナーの家族に感謝を伝えたいと願っていたが、プライバシー保護のためにそれは叶わず、今回の自分の行動が社会に良い影響を与えるよう願っているという。

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