健康問題

「病は気から」は本当だった!北大がメカニズム解明 世界初!

 慢性的なストレスによって、胃腸炎や突然死などを引き起こすメカニズムを、北海道大学の村上正晃教授らのグループがマウスの実験で突き止めた。

 

 過労による突然死や、慢性的なストレスがさまざまな病気を悪化させることは経験としてよく知られているが、そのメカニズムについてはほとんど明らかにされていない。

 

 北大遺伝子病制御研究所のグループは、床を湿らせたケージで飼育することで、慢性的なストレスを与えて睡眠不足にしたマウスを使って、慢性的なストレスと多発性硬化症の関連性を調べた。

 

 多発性硬化症は、脳の中枢神経を包む組織が破壊されると、脳や脊髄、視神経などに硬化が起こる病気。グループはこれまでに、多発性硬化症のマウスでは、重力や痛みなどの刺激によって、特定の神経回路が活性化し、中枢神経のいろいろな場所の血管に免疫細胞が侵入し、病状が変化することを突き止めている。

 

 睡眠不足で慢性的なストレスを与えた正常なマウスの血液に、多発硬化症のマウスから採取した免疫細胞を注入した結果、通常の多発性硬化症に見られるしっぽや後ろ足の麻痺は起こらず、7〜8割のマウスが1週間ほどで突然死した。

 

 死因を解析したところ、胃と十二指腸の炎症による出血が引き金になって、心臓機能が低下したことが判明。免疫細胞の行方を追跡したところ、脳内の特定の血管に集中して小さな炎症が発生していたという。

 

 一方で、ストレスを与えただけのマウスや、免疫細胞を注入しただけのマウスは突然死しなかったことから、研究グループは、脳内に炎症を引き起こす病原性の免疫細胞が血液中にあることで、ストレスが引き金になって、胃腸や心臓疾患を招くと結論づけた。

 

 同じ細胞は人間にもあることから、研究グループは、「血液検査でこの細胞の有無を調べることで、ストレス性疾患や突然死のなりやすさを予測できる可能性がある」と期待を寄せている。

 

 なおこの研究成果は、15日付の生命科学誌『eLIFE』に掲載された。

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