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びろ〜ん!コウモリみたいに羽根を広げる羽衣タコ 米国で発見!

 北大西洋に面した米南東部フロリダ州沿岸で先月、体長1.3メートル以上に及ぶ一風変わった姿のタコが打ち上げられた。足の間に膜があり、コウモリやモモンガのように羽根を広げて泳ぐ姿から羽衣タコと呼ばれるこのタコが、同州で水揚げされたのは15年ぶりだという。

 

 ウミガメの産卵・孵化を見守る自然保護活動を行なっているNPO団体のベス・リベールさんは先月4日、海岸に見慣れない姿をした巨大なタコが漂着したのを発見。ただちにフロリダ大学博物館の専門家に連絡した。

 

 現場に駆けつけたジョン・スラップシンスキー博士によると、英語で「毛布ダコ(ブランケット・オクトパス)」と呼ばれるこのタコは、足と足の間に厚さ2ミリほどの非常に薄い膜を持っていて、天敵に襲われたときには、膜をパッと広げて目くらましにして逃げる習性があるという。

 

 日本では「羽衣タコ」などと呼ばれているが、タコを食べることが好きな日本人にとっても、滅多に市場でお見かけすることはなく、味も水っぽくて食べられたものではないという。

 

 ましてや「デビル・フィッシュ」と呼んでタコのことを忌み嫌っている米国ではなおさらのことで、フロリダで水揚げされたのは15年ぶりの珍事だ。

 

  何と言ってもユニークなのは、メスは最大で体長2メートルくらいまで育つことがあるが、オスは3センチ程度にしかならず、体の大きさが極端に違う点だ。交尾の際、オスは交配用の腕をメスの体内に押し入れて受精したあとに死んでしまい、メスは1度に10〜15万個の卵を産むという。

 

 スラップシンスキー博士によれば、羽衣タコは深海に生息していて、偶然捕獲されても膜がちぎれてしまうことが多いため、今回のように無傷で見つかるのは大変珍しいとのことで、2例目の標本としてフロリダ大学の博物館で保存し、生態を研究するという。

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