歴史

防災歳時記7月24日世にも奇妙な物語 SOS遭難事件

 今から24年前、1989年(平成元年)の今日7月24日、北海道の大雪山系旭岳で遭難事故が発生した。

 

 この日の午後、行方不明者を捜索する北海道警察のヘリコプターが登山道から外れた忠別川源流付近で、倒木を積み上げて作られた「SOS」の文字を発見する。

 

「すわ!遭難者の救助信号」

 

 と、付近を捜索したところ、そこから約3キロ北で、遭難した登山者が発見され無事救助された。

 

 ここまではよくあるお話。しかしここからが「世にも奇妙な物語」の始まりとなった。

 

 「SOSの文字」のことを尋ねた北海道警察に、救助した遭難者は「自分たちではない」と答えた。

 

「他に遭難者がいる!」

 

 北海道警察が、さらに捜索を続けたところ、その付近に動物に噛まれた跡がある白骨死体とカセットテープレコーダーなどが発見された。

 それは5年前の1984年の、やはり7月に遭難した25歳の男性であることが判明する。

 

「エースーオーエース 、助けてくれ。崖の上で身動きがとれず、ここからつり上げてくれ」

 

 テープレコーダーには、一語ずつ区切って、遠くの誰かに救助を求めるように大声で叫ぶ、この男性の声が録音されていた。

 

 なぜ彼は助けを求める声をテープレコーダーに録音したのか?

 

 「SOS」の文字は、一辺5メートルもある白樺の倒木で作られていた。その倒木を運ぶ体力があるのに、なぜ彼は独力で下山しようと試みなかったのか?

 

 そして最大の謎は、そんな大きな「SOSの文字」が、なぜ5年間も発見されなかったのか?

 

 謎は深まるばかり……。

 

 彼は残念ながら助からなかったが、最期の時に必死で作った彼の「SOS」は、その5年後に彼と同じ境遇に陥った遭難者の命を救った。

 

 まさに「世にも奇妙な物語」。

 

 

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