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45歳女性 脂肪吸引手術後に意識不明 生死をさまよう…英国

 気になる部分の皮下脂肪を取り除くことができるとして、女性に人気の脂肪吸引手術。「部分痩せ」などのうたい文句で宣伝しているクリニックも多いが、英国では、45歳の女性が手術後に意識不明状態になり、生死をさまよった。脂肪が血管をふさぐ脂肪塞栓症(FES)で命を落とす寸前だった。 

 

 英国医師会が発行する『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)』に25日に公表された症例報告によると、英国中部バーミンガムで最近、45歳の女性が両足の膝から下の脂肪吸引手術を受けた。

 

 手術は無事成功したかのように思われたが、術後40時間以内に、心拍が早まり、意識が混濁。呼吸が止まる寸前になり、血液中の二酸化炭素濃度が急激に上昇。

 

 患者は西バーミンガム・サンドウェル総合病院の集中治療室(ICU)に搬送された。診察の結果、脂肪の粒が血管を詰まらせる脂肪塞栓症を発症していたことが明らかになった。

 

 脂肪塞栓症は一般に、骨折や外傷などが原因で、骨髄や皮下の脂肪組織が分離して血液中に入り込むためだと考えられていて、心臓や血管のカテーテル手術などでも起こるリスクがある。軽度であれば症状が現れない場合もあるが、肺動脈が詰まれば低酸素症になり、脳に栄養を運ぶ動脈であれば、意識障害を起こして最悪の場合は死に至る。

 

 命の危険がなさそうな骨折患者にも起こり得るが、重症患者でない場合、医師がインフォームド・コンセントを十分に行わない場合があるので、医療ミスを疑って訴えを起こされるケースもあるという。

 

  今回の患者を治療したアダム・アリ医師は「脂肪吸引による脂肪塞栓症は、英国内では過去にほとんど報告がない」と断りながらも、患者の肥満度や足のむくみなどを考慮すると、発症リスクは十分高いと述べている。

 

 患者は人工呼吸器を装着して8日間を過ごし、最終的には12日間を集中治療室で過ごした。その後、普通病棟に移って2日後には退院したが、2カ月経過した現在では、後遺症も残っておらず、細くなった足で、一生懸命運動しているという。

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