医療技術

ヒトの骨から作ったネジで骨折治療 抜去手術が不要に?

 オーストリアとドイツの研究チームは、ヒトの大腿骨からネジを開発した。骨折治療で折れた骨を固定するために使うもので、金属製のネジと違って、骨がつながった後に再手術して取り除く必要がないという。

 

 骨折の治療では、折れた骨をつなぐために皮膚を切開して骨のズレを正し、チタンやステンレスなど軽くて強度が強い金属製のネジやプレートで固定するのが一般的だ。患者の年齢や合併症のリスクの有無にもよるが、これらの固定材は骨がつながったら、再び手術を受けて取り除く必要がある。

 

 オーストリアのクラーツ工科大学の生物力学研究所のチームは、整形外科医の協力を得て、ドナーから提供された大腿骨の中間層を使った固定用ネジを開発。

 

 「シャーク・スクリュー」と名付けられたこのボルトは、血清学的検査で感染症などのおそれがないと確認されたドナーの骨を材料にしていて、移植後1年で元の骨と融合し、X線検査でもネジの存在がわからなくなるというので、抜去手術の必要はなく、すでにオーストリア国内の14カ所の病院で治療に使われているという。

 

 ネジは滅菌処理するとわずかに収縮するが、移植手術後2時間もすれば、体内で膨張し、弾力性が増す。研究チームは現在、アゴ用の2センチと、足用の4〜6センチのネジを開発中だが、どちらも強い力が加わる部位なので、ネジの強度設計に苦労しているという。

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