宇宙

白色矮星の超新星 爆発直後の観測に成功 世界初!東京大学

 東京大学の天文学研究チームは、ハワイ・マウナケアの山頂にある、日本の国立天文台「すばる望遠鏡」を使って、星が一生を終えるときに爆発する「超新星」の爆発直後の姿をとらえることに成功した。科学誌『ネイチャー』に研究成果を発表した。

 

東大大学院の学生、姜継安(じゃん・じあん)さんと、同大附属天文学教育研究センターの土居守教授らのグループは、2016年4月、すばる望遠鏡に搭載された世界で最も優れた広い視野を持つカメラを使って、爆発から1日以内の「Ia型」という超新星を発見。

 

 超新星とは、自ら光り輝く「恒星」が、光のエネルギーの源となる中心部の水素を使い果たすと、膨張して「赤色巨星」になり、大爆発を起こす現象だ。

 

 一方、太陽のようにそれほど重くない恒星の場合は、赤色巨星になったあと、中心部だけが残って白くほのかに光る「白色矮星」となる。炭素と酸素から構成される白色矮星は、重さは太陽と同じくらいだが、大きさは地球くらいしかなく、通常はそのまま冷えて寿命を迎えるが、なかには一転して、超新星爆発を起こす場合もある。

 

 連星と言って、ふたつの恒星がお互いの重心の周りを運動している天体の場合、相手の星から受け取ったガスによって、核融合が起こり、星全体が吹っ飛ぶような超新星爆発が起こると考えられており、これを「Ia型」超新星というが、何が爆発のきっかけになるのかはわかっていない。今回、東大グループが世界で初めて観測にしたのがこの現象だ。

 

 「Ia型超新星」の爆発が起こる頻度は、銀河1個あたり100年に1度と考えられていたが、研究グループは今回、すばる望遠鏡での発見のあと、世界各地の天文台に協力を求めて追観測を行うことで、超新星爆発がどのように始まったかを突き止めた。分析の結果、従来の観測例に比べて、想定よりも赤っぽい色をしていたという。

 

 研究グループは、白色矮星が相手の星から受け取ったヘリウムが核融合を引き起こしたと仮説を立て計算したところ、ヘリウムの核融合で生成されたチタンが、爆発に伴う光のうち、青っぽい成分を吸収してしたことで、赤っぽく見えたのではないかと結論づけた。

 

 白色矮星の超新星は、どれも似たような明るさで輝くので、天文学的には、地球からの距離の目安として使われている。つまり、地球から見て弱い光ならば、超新星自体が暗いのではなく、遠くにあると判断できる。この性質を利用して、宇宙が加速的に膨張している事実が明らかになり、2011年のノーベル物理学賞につながった。

 

 今回の研究成果をきっかけに、白色矮星が爆発を起こす仕組みがさらに解明されれば、宇宙全体の歴史や構造を理解することに結びつくとして、注目されている。

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