医療技術

男脳と女脳 サイズ小さくても神経細胞の数はメスが多い 米研究

 

 男女について論じるときには、脳の違いを比較することがある。米ニューヨークの神経科学研究チームは、最新のイメージングテクノロジーを使って、マウスの脳を比べた結果、サイズはオスが上回ったが、表面の神経細胞の数はメスの方が多かったという。

 

 5日、米科学誌『Cell』に掲載されたコールド・スプリング・ハーバー研究所(CSHL)の論文によると、研究チームは脳の構造を立体的に示す特殊な画像処理技術を駆使して、マウスの脳のさまざまな領域を視覚化した。

 

 その結果、脳の全体的な大きさはオスが上回ったが、調査した11カ所の領域のうち、10カ所で、メスの神経細胞(ニューロン)の数が多かった。

 

 神経細胞とは、電気信号を発して情報をやり取りする細胞で、大脳で数百億、小脳で千億、脳全体では千数百億個にのぼる。ひとつの神経細胞は複雑に枝分かれしていて、別の神経細胞と繋がることで、複雑な神経回路を形成しており、このネットワークが高度な情報処理を行なっている。

 

 マウスの実験で、オスの神経細胞の数が上回ったのは、自律神経の調節を行う視床下部にある射精を制御する小さな領域だけだったという。

 

 チームを率いるパーヴェル・オステン准教授は、この違いだけで情報処理能力に優劣をつける意図はないとしながらも「メスの方が、生殖や社会、育児に関わる領域で神経細胞が多く、より多くの情報処理を行なっている可能性を示している」と話している。

 

 チームは今後、うつ病や統合失調症、自閉症やアルツハイマー症などの精神疾患や神経疾患のモデルマウスの脳を視覚化することで、健康なマウスと比較して、どんな違いがあるかを突き止めていくと話している。

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