感染症

9月からはしか拡大 訪日客が「ウイルス」持ち込むケース「ワクチン接種を」

 風邪のような症状から40℃近い高熱を発し、重症化すると1000人にひとりの割合で脳炎の発症や死亡する場合もあるはしか。日本では年間に報告される患者数が100人前後と「はしかの排除状態」が続いているが、海外からの観光客や渡航者の増加に伴って、国内にウイルスが持ち込まれるケースが増えていると、国立感染症研究所が注意を呼びかけている。

 

 富山県や宮城県によると、先月13日、成田空港を使って入国した20代の外国人女性が、発熱や咳などの症状で訪問先の富山市内で医療機関を受診し、はしかを発症していたことが判明した。

 

 女性は友人との二人旅で、宮城県内や青森市、群馬県、東京都内から愛知県、奈良市、京都市内など国内各地を約3週間かけて巡り、訪問先の富山市で発症。同行者も感染していたが、現在はいずれも回復しているという。

 

 厚生労働省の感染症発生動向調査(NESID)によると、先月下旬から今月上旬にかけて、関東地方や中部地方の複数の自治体から、はしかの感染が相次いで報告されている。これらの感染が、二人の外国人観光客と直接的に関係しているかどうかはわからないが、今後、国内の広範囲ではしかが発生するリスクが高まったため、発表に踏み切ったと言う。

 

 国立感染症研究所によると、今月8日までに国内で報告があったはしかの患者数は185人と、過去3年間で最も多い。2015年には国内での患者数が年間24人まで減少し、WHO(世界保健機関)から「はしかの排除状態にある」と認定を受けた。

 

 一方、EUではルーマニアやイタリア、フランスなどで死者が出るなど、海外では流行が続いており、外国人観光客や渡航者がウイルスを国内に持ち込む輸入症例が増えており、昨年9月には関西空港に勤務する従業員らが集団感染したケースもあった。

 

 はしかにかかると、初期は発熱や鼻水など風邪のような症状が数日間続いたあと、口の中に白い斑点が現れる。いったん、体温が低下したあと、再び高熱が出ると同時に全身に発疹が出現して、この状態が4〜5日間続く。

 

 ウイルスの感染力は非常に強く、初期症状から発疹までの間は特に強いことから、患者がこの期間に風邪だと油断して出歩いていると、接触先で感染が広がるリスクがある。流行国への渡航前に限らず、予防接種が必須だ。

 

■国内での流行状況は、ハザードラボ「感染症マップ」をご覧ください。

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