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宇宙に行くと「脳の構造」が変化する!ISS飛行士をMRI検査 米研究

 日本人宇宙飛行士の金井宣茂宇さんが来月、国際宇宙ステーション(ISS)で長期滞在ミッションに挑むのを前に、ショッキングなニュースが飛び込んできた。ISSに滞在歴のある宇宙飛行士34人の脳を調べた結果、長期滞在した飛行士の大半で、脳全体が浮き上がり、中心の溝の幅が狭くなって、頭蓋骨内部の圧力に異常が起きていたという。

 

 米内科外科学会が発行する医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に掲載された論文によると、サウスカロライナ医科大学や独フランクフルト大学病院の合同チームは、国際宇宙ステーションに滞在歴のある宇宙飛行士を対象に、任務前後で脳がどう変わったかを比較した。

 

 実験に参加した宇宙飛行士は、6カ月近く(平均164.8日)滞在した長期組が18人、2週間(平均13.6日)の短期組が16人の計34人。人体内部を立体的に映し出すMRI(核磁気共鳴画像法)画像を比べた結果、長期滞在組17人と短期組3人が、頭頂部の中心溝の幅が狭くなっていた。中心溝は、前頭葉と頭頂葉を隔てる溝で、前の部分は筋肉を動かすための信号を送り、後ろは感覚情報を受け取る領域にあたる部分だ。

 

 また、長期滞在組12人が脳の位置が上にずれて、脳脊髄液を満たすスペースが狭くなった一方、短期組では脳の位置に変化はなかったという。さらに中心溝が狭くなっていた長期組3人は、眼球内の視神経が腫れていて、視界がぼやけるなどの異常が起きていた。

 

 MRI検査は、宇宙飛行士が地球に帰還してから4〜10日後に行ったもので、サウスカロライナ医科大学放射線科のドナ・ロバーツ准教授は、「無重力の宇宙空間が人間の脳にどんなふうに影響を及ぼすか、その影響がどのくらいまで続くのかを把握するには、長期的な視点で繰り返し調査する必要がある」と指摘したうえで、将来の有人宇宙探査に備えて、人体に及ぼすリスクはできる限り軽減させなければならない」と述べている。

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