医療技術

日本人旅行者2人がケニアでマラリアに感染

 国立感染症研究所は29日、5月末から6月にかけてアフリカのケニアに渡航した日本人8人のグループのうち2人が熱帯熱マラリアに感染したと発表した。

 

 この8人のグループ(小学生2人を含む)は、今年5月30日から6月6日までの日程で、ケニア各地を訪れていたが、感染した2人はいずれも帰国後38℃台の発熱とともに、数回転倒する、会話がかみ合わなくなる、などのマラリア特有の症状が現れ、現在治療を行なっている。

 

 このグループはケニアへの渡航歴が複数回ある人がほとんどであるにも関わらず、「トラベラーズ・ワクチン(海外旅行の際に感染症予防のために接種するワクチン)」については、接種が義務付けられている「黄熱病ワクチン」のみで、マラリアに対する予防はされていなかった。

 

 マラリアは、ハマダラカという蚊が「マラリア原虫」を媒介することにより感染するもので、発症すると高熱のほか、脳症、肺水腫、急性腎不全などの症状を引き起こし、場合によっては命に関わることもある。

 

 日本などの温帯の国々は流行地域になっていないが、熱帯・亜熱帯地方では、年間3〜5億人が感染しているという、風邪やインフルエンザ以外では、世界で最も感染者の多い伝染病。

 

 マラリアの予防は「抗マラリア薬」を服用するという方法もあるが、旅行に行く数週間前から服用し始め、帰国後も約1ヶ月間服用し続ける必要がある。

 

 今回のグループのメンバーの中には、「予防内服をすると、マラリアに感染した時に診断が遅れる」という誤った理解をしている人もおり、国立感染症研究所では、トラベラーズ・ワクチンの接種なども含め啓発が必要と訴えている。

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