医療技術

乳酸菌シロタ株「インフルA型ウイルスに強い効き目」米チームが実証

 今年もインフルエンザ・シーズンに突入したが、国立感染症研究所によると、今シーズンは「AH1pdm09」と「香港型」「B型」の3つのウイルスが流行しているという。こうしたなか、米ジョージア州立大学生物医学研究所のチームは、乳酸飲料に使われる乳酸菌「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株」がA型ウイルスに対する効果があることを実証した。

 

「ヤクルト菌」や「L.カゼイ・シロタ株」の別名で知られる「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株」は、日本人の代田稔博士が発見した乳酸菌だ。

 

 米ジョージア州立大の研究グループは、加熱処理したシロタ株DK128型を鼻の中に投与した実験用のマウスに対し、致死量のインフルエンザA型ウイルスを感染させる実験を実施。

 

 その結果、DK128型で事前処理を行わなかったマウスは、感染後8〜9日までに著しく体重が減少して、すべて死亡したのに対し、乳酸菌を与えたマウスでは、1匹も死亡しなかった。

 

 さらに、A型ウイルスの亜型である「A香港型(H3N2亜型)」と「Aソ連型(H1N1亜型)」も感染させたが、すべて生き延びたという。

 

 DK128型を少量与えたマウスでは、1割程度体重が減ったものがいたが、多くを与えたマウスでは体重の変化はなく、まったく与えていないマウスに比べると、肺の中のウイルス数が少なく、免疫細胞が活性化し、ウイルスに対して高い防御反応があるのが確認されたという。

 

 インフルエンザウイルスのうち、人間に感染するウイルスは大きく分けて3種類あり、それぞれA型、B型、C型と呼ばれている。種類によって症状や経過が異なり、なかでも最も注意しなければならないのがA型ウイルスだ。一度インフルエンザに感染すると、ウイルスに対する免疫が体内に作られるが、A型はどんどん進化して新型のウイルスに変化し続けるため、免疫機能が効きにくく、ワクチンの予測も立てにくい。

 

 今回、マウスの実験に使ったシロタ株は、韓国のキムチから採取し、培養した乳酸菌だという。研究グループは、人間に対しては、鼻の中にスプレーで噴霧するような予防薬の開発に結びつけたいと話している。

 

 なおこの研究成果は、科学誌『サイエンティフィック・リポーツ』に掲載された。

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