感染症

米国で猫500匹が感染した鳥インフルH7N2 人間にもうつる 東大が解明

 昨年末から今春にかけて、米ニューヨーク市の動物保護施設で500匹以上の猫が感染した鳥インフルエンザについて、東京大学などの国際グループは、ほ乳類を使った感染実験で、人間やフェレットも猫から感染する可能性をつきとめた。

 

 この問題は2016年12月、マンハッタンの動物保護シェルターに収容された猫2匹が、相次いで咳や鼻水などの症状を発して死亡。検査の結果、鳥インフルエンザH7N2ウイルスが検出されたことから、他の猫も調べたところ、ニューヨーク市全体で2017年2月までに500匹以上の猫と、獣医師のひとりが感染した。

 

 東大医科学研究所の河岡義裕教授や米国の研究機関の調査で、このウイルスは、1999年にニューヨークのトリ市場で発生した低病原性の鳥インフルエンザH7N2ウイルスに由来している事実をつきとめた。

 

 シェルターの猫から採取したウイルスを他の動物で試したところ、マウスやフェレットの鼻や肺でウイルスが増殖。しかし、感染したマウスやフェレットに、体重が減少するなどの病的な症状はみられなかった。

 

 このウイルスは、猫同士だと咳やくしゃみなどの飛沫感染と接触感染の両面で広がるが、感染したほとんどの猫は、マウスと同じように深刻な病状が出ることはなかった。最後に既存の抗ウイルス薬の効果を調べたところ、既存の「ノイラミニダーゼ阻害薬」が高い効果を示したという。

 

 河岡教授は「人間生活と深いつながりがある猫を介して、将来起こりうる新たなインフルエンザウイルスによる世界的流行(パンデミック)の予測に役立つ」と話している。なおこの研究成果は、米疾病予防管理センター(CDC)が発行する『Emerging Infectious Diseases』(2018年1月号)に掲載された。

 あなたにオススメの記事