環境

奄美周辺の漂着油「重油と判明」沈没船の燃料流出か?海保が分析

 先月下旬、鹿児島県の宝島や奄美大島の沿岸で、黒い油の漂着が相次いで確認されている問題で、海上保安庁が採取したサンプルを分析した結果、漂着したのは「重油または原油」だったと発表した。沈没船のタンク内には2000トン近い燃料の重油が残っていたと考えられており、流出した可能性が高い。

 

 事故は先月6日、上海沖の東シナ海で、イラン政府が所有する石油タンカー「サーンチー号」が、中国の貨物船と衝突したのち出火。燃え続けながら漂流し、14日に奄美大島から約300キロ離れた西の海上で沈没したもの。

 

 事故から2週間経った先月28日以降、宝島や奄美大島など7つの島の海岸では、油の塊が漂着するようになったことから、海保は機動防除隊を派遣して、漂着物を回収し、サンプルの分析を実施。

 

 その結果、漂着物の成分は、「C重油か原油」に相当することがわかった。沈没船には「コンデンセート」と言う軽油が約13万6000トン積載されていたとされるが、海保によると、揮発性が高いため、島に漂着する可能性は極めて低いと考えられている。

 

 今月6日には、船が沈没した周辺の海域で、長さ約2.5キロ、幅約200メートルにわたって海面に漂う油が確認されているが、漂着物の成分だと断定できる分析結果は現時点では出ていないと言う。

 

 一方、サーンチー号を所有していた船主からの情報で、衝突事故当時の船内には「A重油」約120トン、「C重油」約2000トンが燃料として残っていたという報告もあることから、漂着の可能性もあるとみて、引き続き情報収集を続けていくとしている。

 

 一般社団法人「日本船主協会」によると、重油とは、精製した原油から、LPガスやガソリン、灯油、軽油などを抽出した最後の残りカス(残渣油)で、その粘度によって、A、B、Cの3種類に区分される。このうち、船の燃料として一般的に使われるC重油は、最も粘度が高く、常温だと固まりやすい性質を持つという。

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