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閲覧注意:まるでマンガ?黒目がグルグル渦巻く「コーガン症」24歳女性 

 ひどく酔っ払ったり、バランス感覚がおかしくなったりすると、マンガでは目玉がグルグル回る表情で表現するが、ポルトガルに住む24歳の女性は、コーガン症という原因不明の非常に珍しい病気を発症し、黒目が渦巻き状になってしまった。

 

 米マサチューセッツ内科外科学会が発行する2月28日付の医学誌『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』によると、この患者は14歳のころから、白目の充血とごくわずかな光でもまぶしくて目が開けていられないという問題を抱えていた。

 

 24歳になったある日、視界に霧がかかったように見えることから、リスボンに近い「ガルシア・デ・オルタEPE病院」を受診したところ、眼科医から角膜の中間層に炎症が起こる間質性角膜炎だと診断された。この病気のほとんどは、妊娠中の母親から梅毒に感染することで発症するが、さまざまな検査の結果、梅毒ではないことがわかったが、病気の正体は依然として謎のままだった。

 

 実質性角膜炎の診断を受けてから半年後、患者はひどいめまいと耳鳴り、難聴を訴えて再び病院を受診。改めて詳しく検査した結果、「コーガン症候群」という原因不明の病気だと判明した。

 

 慶應義塾大学病院の医療・健康情報サイト『KOMPAS』によると、米国の眼科医デヴィッド・コーガン(David G. Cogan)が1945年に初めて報告したコーガン症候群は、日本ではほとんど症例がなく、正確な感染率などは不明だ。

 

 充血や眼痛、まぶしさ(間質性角膜炎)といった眼の症状と、吐き気や嘔吐を伴うめまいの発作や突然聞こえにくくなる感音性難聴などの内耳症状のほか、全身性の血管炎症状が起こると、心筋梗塞や心不全など重症化する場合もある。リウマチや膠原病など似たような症状の病気とも間違いやすく、診断が難しいという。

 

 マイアミ医療健康システム大学の臨床眼科医で、米国眼科学会の広報を務めるアナット・ガーラ―准教授(Anat Galor)は、患者の黒目に出現した白いリングは、間質性角膜炎の典型的な症状とは異なり、この病気が新たな症状を引き起こす可能性もあるため、引き続き定期的な診察が必要だと話している。

 

 ポルトガル人女性の担当医サンドラ・ロドリゲス-バロス医学博士は、全身の炎症を抑制する副腎皮質ホルモンの糖質コルチコイドによる治療を開始したところ、1カ月後に低下した視力の改善が見られたが、両耳には今もなお軽度の難聴が残っているという。

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