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トラVSクマ!インドの森で猛獣同士が死闘 勝負の行方は?(動画)

 インドに生息するベンガルトラは、陸上で最強の生物だ。百獣の王者と言えばライオンだが、ベンガルトラはネコ科の中で最大級。生息地域が異なるため、両者が相まみえることはないが、ベンガルトラの攻撃力はゾウも殺す。先月、インドの国立公園で、その獰猛さを裏付けるような猛獣同士の戦いが繰り広げられた。

 

 この動画は先月28日、インド中部にあるタドバ国立公園でサファリツアーを案内していたガイドのアクシャイ・クマール(Akshay Kumar)さんが、野生動物たちが集まる水飲み場で撮影した。

 

 タドバ国立公園は隣接する野生動物保護区とともにベンガルトラの保護地域に指定されている。東京のJR山手線内側の約2倍の面積にあたる121km² の広さに、60頭以上(2016年現在)のベンガルトラをはじめとする野生動物が生息している。

 

 クマールさんによると、その日の気温は35℃を超えていた。「T54」と名付けられた7歳のオスのトラが1頭、ほてった体を冷やそうと池のほとりで休んでいたが、突然立ち上がって、藪(やぶ)に向かって歩き出した。

 

 目的は、水を飲みにやってきた若いナマケグマを追い払うことだった。トラが自分の方に向かってくることに気づいたクマは急いで方向転換し、もと来た道を戻ろうとしたが、時すでに遅し。トラはしつこく後を追った。

 

 その瞬間、近くの藪から猛烈な勢いで飛び出した別のクマがトラに体当たり。先に出てきた若いクマの母親が、我が子を守ろうと捨て身の攻撃に出たのだ。

 

 ベンガルトラと同様、インドやネパール、バングラデシュに生息するナマケグマは、大きくカーブした前足の爪が、動物のナマケモノの爪に似ていることからこの名前を持つ。ふだんはシロアリや昆虫、果物などを食べるが、過去には農作物を狙って里に降りてきたナマケグマが、人を襲った事例もあるという。

 

 

 不意打ちに遭ったトラは、尻もちをついてたじろいだが、戦いの場所が障害となる藪から池のほとりに移動した途端、形勢逆転。鋭い爪でクマの動きを封じ、牙を喉に突き立てたときは、誰もが「母グマが殺される」と目をつぶった。

 

 ところが、連続の格闘でトラも息が切れたのだろう。ほんの一瞬休んだすきを見て、羽交い締めから逃れたクマが反撃に転じた。何度も地面に引き倒されて、噛み傷だらけになっても諦めず、しつこくトラに挑み続け、その気迫に嫌気が差したトラは、とうとう池の中に逃げ出し、ずぶ濡れになりながら退散した。

 

「勝負に勝った瞬間、母グマはライオンのたてがみのように全身が逆立っていました。トラよりも大きく見えたほどです。かなりの痛手を負ったはずですが、全身を覆う分厚い体毛と我が子への強い愛情が勝利に導いたのです」と、すっかりクマ好きになったクマールさんは言う。

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