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謎の深海生物「テヅルモヅル」106年ぶり新種発見 昭和天皇の標本から(動画)

 ヒトデなどと同じクモヒトデ類に属する深海の生物「テヅルモヅル」の新種が106年ぶりに発見された。昭和天皇が相模湾で採集し、国立科学博物館に保管されていた学術標本などの観察から新種であることが明らかになった。

 

 テヅルモヅルとは、5本の腕が枝分かれするクモヒトデ類に属する生物で、大型のものが多く、腕を広げると広がった網のようになり、これらの腕をくねらせて海底をはうように移動する。

 

 東京大学・臨界実験所の岡西政則特任助教と、国立科学博物館の藤田敏彦研究グループ長らのチームは、米国スミソニアン国立自然史博物館をはじめ、ドイツ・ミュンヘンやデンマーク・コペンハーゲンなど世界各国の博物館を訪問して保管されている14個体の標本を観察。

 

 その結果、昭和天皇が1930年代と1950年代に相模湾で採集した7個体と、岩手県大槌沖、三重沖の太平洋で採集された計11個体が新種であることが明らかになった。

 

 新種は、テヅルモヅルのうち、これまでに世界で5種類しか発見されていない「ツルボソテヅルモヅル属」に属しているが、体の表面にごく小さなトゲがあるなど既存の5種とは異なる形態的な特徴を持つことから、和名「トゲツルボソテヅルモヅル」と命名された。

 

 ツルボソ属はインド洋〜大西洋の水深40〜1314メートルにある海山や海丘など、潮の流れのよい海底に分布する。こういった岩肌が露出する海底は底引き網が引っかかりやすいため、調査が難しく、生態には謎も多い。研究チームは、国内で106年ぶりに新種が発見されたことで、今後はDNA解析などを進めていきたいとしている。

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