医療技術

「自撮り」の日常化で「整形患者が増えた!」米国外科医が警鐘

 スマートフォンの普及で、撮影者が手持ちしたカメラで自分自身を撮影する「自撮り(セルフィー)」が一般的になった影響で、至近距離から撮影した自分の顔に満足せず、鼻を小さくするよう美容整形外科を訪れる人が増えていることが米国の研究で明らかになった。

 

 今月初め、米国の整形外科専門誌『JAMA Facial Plastic Surgery』に、ラトガース・ニュージャージー医科大学で顔の再建手術を専門とするボリス・パスカーバー医学博士がユニークな調査結果を発表した。

 

 研究チームは、さまざまな人種や民族の複数の男女の参加者を対象に、顔からカメラまでの距離を変えて写真を撮影。スタンフォード大学コンピューターサイエンス学部の協力を得て、頬骨の間の距離に占める鼻の幅を数値化して比べた。

 

 その結果、自撮りする場合に近い30センチの距離では、男性の鼻の幅は平均して実際よりも30%、女性は29%広がり、鼻の先は7%近く大きく写ることがわかった。

 

 これは、鏡のゆがみによって実際より身長が大きくなったり、小さくなったりするミラーハウスと同じ原理で、英語では「Fun House Mirror効果」という。

 

 Dr.パスカーバーは、「数年前から私たち整形外科医のもとに、“鼻を小さくする整形手術を受けたい”という患者さんが増えています」と述べて、日常的に自撮りする機会が増えたことで、自分の顔がゆがんでいると悩む人たちに警鐘を鳴らしている。

 

 実際、米国形成外科学会が発表した2017年の報告書で、米国内の形成外科医の55%が、自撮りした顔に不満を持っている患者と接した経験があるというから、問題は深刻だ。

 

 日々進化する機能によって、製品によってはデジタルカメラよりもきれいに撮れるスマホもあるというが、スマホカメラのレンズは、広角〜標準レンズの画角のため、見た目よりちょっと広めに対象物が写るようになっている。そのため、レンズの影響を受けないように撮影するには、最低でも被写体から1.5メートル離れる必要があるという。

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