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どんな時でもメスになりたがる「性転換細胞」メダカで発見 名古屋大

 卵と精子の元となる生殖細胞は、どんなときでも身体をメスにしたがる性質を持つことが、メダカの実験で明らかになった。名古屋大学と国立遺伝学研究所などのグループが30日、米科学誌『PLOS Genetics』で発表した。

 

 メダカ同様、私たち哺乳類は、Y染色体があると身体がオスになることはよく知られている。しかし、カメやワニなどのように、Y染色体がなく、性は卵が育つ温度で決まる生物もいるように、性決定のメカニズムは、いまだ解明されていない部分が多い。

 

 名古屋大の田中実教授らの共同グループはかつて、メダカの生殖細胞には、卵と精子のどちらになるかを決めるスイッチ役の遺伝子があることを発見。メスを対象に、この遺伝子が機能しなくなるよう操作した結果、生殖細胞は卵の代わりに精子を作り始めたが、それにもかかわらず、身体はメス化したという。

 

 生殖細胞は、卵や精子の元になる共通の起源を持つ細胞で、卵巣と精巣は同じ組織から作られている。メスの身体で卵巣ができる過程と、オスで精巣ができる過程を比較したところ、メスでは卵巣形成直後から生殖細胞が増加して卵を作り始めるのに対して、オスでは精子を作り出す前に生殖細胞の増加が止まってしまった。

 

 さらに、メダカでは生殖細胞が異常に増えると、たとえY染色体があって、オスを決める遺伝子が働いたとしても、身体はメスになってしまうことを確認したという。

 

 最近の研究で、動物には本来、性転換できる能力がある可能性が示唆されている。研究グループはメダカの実験で明らかになった生殖細胞が持つ「身体のメス化」という特質によって、オスからメスへ性転換させていることも考えられるとしている。

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