感染症

抗生物質が効かない「悪魔の耐性菌」全米で拡大 CDCが警鐘

 抗生物質が効かず、治療が難しい「悪魔の耐性菌」として、国際的に警戒感が高まっている「カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)」。米国の医療機関では昨年1年間で221例の感染があったことが、米疾病予防管理センター(CDC)の調査で明らかになった。

 

 カルバペネム耐性腸内細菌とは、抗生物質に対して高い耐性を持つ、治療が難しい腸内細菌の一種で、病院や介護施設など医療現場での院内感染が問題になっている。

 

 この病気は、大腸菌や肺炎桿(かん)菌などが主体で、尿路や呼吸器系、肝臓や胆嚢などの血液中に侵入すると、菌血症や敗血症などを引き起こすもので、抗生物質はほとんど効かず、米国での致死率は5割近いという報告もある。

 

 CDCによると米国では毎年、「悪魔の耐性菌」を含む薬剤耐性菌に感染して死亡する人が2万3000人以上いるが、2017年に全国の検査機関で「カルバペネム耐性腸内細菌」が発見されたのは221例にのぼったという。

 

 昨年1月〜9月にかけて検査を受けた患者の11%は、陽性であるにもかかわらず、はっきりした症状が出なかったため、この間に医師や看護師、病院内の他の患者や家族にも感染が拡大した可能性が高いという。

 

 「悪魔の耐性菌」は日本でも対岸の火事ではない。福岡県北九州市の病院では昨年夏、80〜90代の入院患者4人が相次いで感染して、3人が死亡する問題も起きている。国立感染症研究所によると、2015〜2016年までの1年間で国内では1669人の感染が報告されており、このうち8割近くが65歳以上の高齢者で、59人が死亡している。

 

■国内の感染症情報は、ハザードラボ「感染症マップ」でもご覧いただけます。

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