医療技術

世界初!戦争で男性器を失った兵士への移植手術 米国(動画)

 米メリーランド州の大学病院で先月、男性器の移植手術が米国内では世界で初めて行われた。患者はアフガニスタン戦争で両足と男性器を失った若い兵士で、今週中にも退院できる予定だ。

 

 実は、男性器の移植手術は、過去にも前例がある。南アフリカでは2015年、割礼を受けた際に、誤って切断された患者が縫合手術を受けているし、マサチューセッツ総合病院では2016年、陰茎がんで大半を失った患者が移植手術を受けた。

 

 今年3月26日、ジョンズ・ホプキンス大学の泌尿器外科医と形成外科医の9人のチームは、死亡したドナーから提供を受けた陰茎全体と陰嚢、腹壁の一部を14時間かけて患者に移植する手術を行った。

 

 手術の前に泌尿器科のデーモン・クルーニー医師は外科医2人を連れて、プライベートジェットで死亡したドナーのもとへ飛んで、必要な組織を取り除き、再びメリーランド州に舞い戻り、患者への移植を開始。

 

 患者は戦争に従軍中、すぐ近くで爆弾が爆発した影響で、膝から下の両足と男性器をふっ飛ばされる大けがを負った。形成外科医のアンドリュー・リー氏によると、患者自身の体の組織を使ってペニスを再建することは可能だが、シリコン(プロテーゼ)インプラントを挿入しなければ、勃起できなくなる。しかしこの手術には感染率が遥かに高まるおそれがある。

 

 

 さらにこれまでに行われた移植手術は、基本的にペニス部分に集中すればよかったが、今回の手術では腹部から陰嚢に至るすべての組織の動脈血管と神経をつなげなくてはならないため、前例がないものになった。

 

 患者は今後、移植による拒絶反応を防ぐために、免疫抑制薬の処方を受けていく必要があるが、順調に回復が進み、今週中にも退院できる予定だ。

 

 米国防総省のデータによると、2001年から2013年にかけてアフガニスタン戦争に従軍した1367人もの兵士が、男性器や泌尿器にケガをしており、その3分の1以上が重傷だという。

 

 リー医師は「移植手術によって、この患者の男性機能が回復し、性的満足感を得るようになると期待している」と話している。今回の手術が成功すれば、他の兵士や家族にも希望が生まれるとあって、医学界だけでなく全米が注目している。

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