感染症

新種の「ブルセラ症」海外渡航歴のない64歳が発症 長野県

 長野県に住む64歳の元トラック運転手の男性が昨年、新種の「ブルセラ症」に感染し、急性腎不全による尿毒症にかかっていたことを国立感染症研究所が明らかにした。ブルセラ症は、感染した家畜の乳や乳製品から感染することが一般的だが、患者は輸入食品を食べたり、海外への渡航歴はなく、感染源や感染経路がわからないという。

 

 国立感染症研究所によると、この男性は2017年4月上旬から食欲不振に陥り、その月の下旬には39度を超える高熱が1週間ほど続いた。同年6月に悪寒や体のふるえの症状があり、佐久市の佐久医療センターを受診した際の尿検査で、腎機能の急激な悪化がわかり、尿毒症の診断で入院。

 

 血液透析の結果、ブルセラ症に感染している疑いが強まったが、6週間の治療を行ったあとも腎機能は回復せず、現在も透析治療を続けているという。

 

 ブルセラ症は、ウイルスに感染した牛やヤギなどの乳や乳製品を食べたり、感染動物の死体などと接触することで感染する人獣共通感染症で、地中海地域や西アジア、アフリカや南米で患者が多いが、この男性に海外渡航経験はなく、自宅は長野県の山奥におり、ネコやニワトリは飼育しているが、野生動物との直接の接触はないという。

 

 感染研は、佐久医療センターから送られた患者の検体を分析した結果、未発見のブルセラ症の菌種だと判明した。自宅周辺の土壌やニワトリの糞やシカの糞などを採取して調べたが、菌は検出されず、感染経路は特定できなかったが、菌の遺伝子解析によって、宿主がネズミなどのげっ歯類に近いことが判明。感染したネズミと男性が接触した可能性も考えられるという。

 

 感染研によると、ブルセラ症の菌の潜伏期間は通常1〜4週間だが、数カ月に及ぶ場合もある。症状は発熱や関節や筋肉への痛み、腰痛、倦怠感、頭痛、めまい、食欲不振など全身に現れる。筋肉や骨格への感染が最も多いが、男性の場合、泌尿器への影響も少なくない。

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