医療技術

喉に詰まった鶏肉の骨で窒息死寸前 22年取れなかった例も…

 日本では毎年正月、餅を喉につまらせる事故が相次ぐが、オーストラリアでは鶏の骨をつまらせた78歳が窒息死寸前になった。発見まで5日間。こんなに時間がかかった理由は…?

 

 米マサチューセッツ医学会が発行する『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』に今月3日付で掲載された報告書によると、豪メルボルン近郊のモナーシュ・メディカル・センターに78歳の男性が窒息死寸前で救急搬送された。

 

 このおじいさん、実は5日前にも喉になんとなく違和感を覚えて耳鼻咽喉科を訪れたばかり。そのときもレントゲン写真を撮ったが、喉から胸部にかけて何も異常は見つからなかった。

 

「何か詰まっていたのかもしれないですが、自然に無くなったんじゃないですか」…お医者さんにそう言われた男性は、5日後に容態が急変し、今度は救急車で緊急救命室へ。

 

 CTスキャンの検査を行った結果、右側の肺につながる気管支に、5日前に食べたチキンの骨が引っかかっているのが見つかった。内視鏡検査で除去され、3日後に無事退院したが、そもそもなぜ最初の検査で骨が見つからなかったのだろうか?

 

 2012年から2013年に医学誌に発表された論文によると、成人の場合、飲み込んだ異物が比較的小さく、気道が完全に塞がれなかった場合は、発見・診断まで数カ月から数年にわたって遅れることがあるという。カナダでは2013年、喘息で咳が止まらなくなった54歳の女性の気管支から12ミリの大きさに石灰化した骨が見つかった症例が報告されている。レントゲン検査ではわからなかったが、CTスキャンで胸の断層写真を撮ったところ発見され、全身麻酔のうえ、手術で取り除いた。なんと22年前に飲み込んだ骨の破片だったという。

 

 さらに英国では2017年、47歳の男性の気道から、7歳の誕生日でもらったプラスチック製のオモチャの小さなカラーコーンが見つかり、「喉で交通渋滞を引き起こしていた」という話題になった。

 

 魚を食べる私たち日本人は、小さなころから「魚の骨が喉に刺さったらごはん粒を飲み込むように」などと教えられてきたが、小さな骨でも放置すれば肺炎や呼吸困難を起こすかもしれないことから、どうしても取れない場合は病院に行ってほしい。

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