感染症

エボラ流行を封じ込め ワクチン接種開始 コンゴ民主共和国 

 エボラ出血熱の感染が相次ぐアフリカ中部コンゴ民主共和国(旧ザイール)では今月21日(現地時間)、ワクチンの予防接種が始まった。同国ではこれまでに26人が死亡し、46人に感染の疑いが持たれている。世界保健機関(WHO)は患者が多い北西部に7500回以上の投薬を送ったと発表している。

 

 カナダの公衆衛生局が開発したこのワクチン「rVSV-ZEBOV」は、2014年〜2016年にかけて西アフリカで大流行した際、ギニアで5837人を対象に臨床試験を行ったところ、10日後の発症率がゼロという、高い予防効果を発揮したもの。

 

 WHOやユニセフなどの国際機関は、コンゴ民主共和国で発生した感染報告を受けて、ただちに拡大防止に向けて動いた。コンゴでは先月以降、今月18日にかけて、北西部ビコロ地区を中心に26人が死亡。17日には現場から80キロ近く離れた人口120万人をかかえる大都市ムバンダカでも4人が感染し、患者の数は感染の可能性も含めて46人に増えている。

 

 また患者の行動歴から、ウイルスの潜伏期間中に600人以上に接触した事実も確認されており、二度目のアウトブレイク(爆発的感染)の危険性が高まっている。

 

 1976年以降、コンゴ民主共和国では、病名の由来となったエボラ川流域を中心に小規模な流行が8回あったが、いずれも人口密集地域から遠く離れた地方での発生だったため、感染者の数は350人程度にとどまっていた。

 

 9回目である今回は、北西部ビコロからムバンダカ、首都キンシャサまでつながるコンゴ川流域で起きていることから、水路を伝わって感染が広がり、隣国のコンゴ共和国にも飛び火する危険性もあるとして、WHOが警戒感を強めている。

 

 エボラ出血熱は患者の血液や嘔吐物、排泄物、分泌物に触れることで感染。2〜21日間のウイルス潜伏期間を経て、突発的に発症し、発熱や頭痛、筋肉痛など全身の痛みに続いて、2〜3日で急速に悪化し、発症から約1週間で死に至るケースが多い。ウイルスの遺伝型は3タイプ確認されており、致死率はザイール型が約90%、スーダン型では約50%と高い。

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