医療技術

世界初!3Dプリンターで「角膜」作成 わずか10分 英ニューカッスル大

 英ニューカッスル大学の研究チームは30日、現在は移植するしか治療方法がない「角膜」を3Dプリンターで作成する技術を開発したと発表した。

 

 ニューカッスル大学で生物組織工学を研究するチェ・コノン教授とスティーブ・スウィクロ教授のチームは、移植用に提供されたヒトの角膜から取り出した幹細胞に、食物繊維のアルギン酸塩とコラーゲンなどを組み合わせてジェル状の「バイオ・インク」を作り、3Dプリンターを使って角膜を作る技術を開発した。

 

 チームは以前に開発した、ヒドロゲルと混ぜた幹細胞を室温で数週間生かせた状態に保つ技術を応用して、3Dプリンターのノズルから抽出できる柔らかさと、角膜の形状を維持できる弾力性を兼ね備えたバイオ・インクを作成。

 

 実際の患者の眼をスキャンした角膜サイズのデータをもとに、市販されている安価な3Dバイオプリンターを使って印刷したところ、わずか10分できれいな同心円状の角膜が完成したという。

 

 黒目の表面を覆う角膜は、トラコーマなどの感染症やケガで傷ついたり、透明性が失われると、視覚障害を発症して深刻な場合は失明に至るおそれがある。全世界で1000万人近い患者がいると推定されているが、移植用の角膜が絶対的に不足している現状だ。国内では、大阪大学や理化学研究所などの研究チームが、ヒトのiPS細胞から眼の細胞を作る技術を開発しており、臨床試験を進めている。

 

 国際眼科学会の学術誌『Experimental Eye Research』で研究成果を発表したコノン教授は「3Dプリンターを使った角膜も、実用までは数年かかると思いますが、世界的な角膜不足の解決につながることを期待しています」と話している。

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