防災知識

福島県喜多方市「地割れ」広がる 地すべりも…地名に隠された災害

 福島県喜多方市の西部に位置する高郷(たかさと)町では、4月下旬以降、県道に沿って地割れが拡大しており、地すべりも発生している。市では災害対策本部を設置し、避難勧告を発令している。

 

 喜多方市によると先月下旬、高郷町の県道新・荻野停車場線で、道路脇の排水溝(側溝)が浮き上がり、地割れが見つかった。亀裂は日を追うごとに広範囲で確認されたことから、今月4日、およそ1キロに渡る区間の県道を通行止めにした。

 

 今月17日には民家の敷地でも新たな亀裂が見つかり、農地にも広範囲で亀裂が広がっていることから、福島県では柔らかい粘土質の地盤に地下水が浸透したことが原因と見られる「農地地すべり」の可能性が高いと判断。地盤伸縮計を設置し、24時間体制で地すべりを監視している。

 

 喜多方市は対策本部を設置し、今月28日に避難準備・避難開始を発令し、翌29日には1世帯2人に避難勧告を発令した。

 

 現場は、福島県から新潟県に向かう阿賀川(下流では阿賀野川)沿いの「揚津(あがつ)地区赤岩」と呼ばれる県道沿いになる。この「あか」は、古い言葉で「水」を意味し、水気が多く、地盤が軟弱な湿地帯につけられることから、水害の危険が及びやすい場所につけられる地名だ。

 

 さらに「揚津地区」の「あが」は、文字どおり「上がり・揚がり」の意味で、もともとは低かった土地を高くした場所につけられるケースが多く、瀬戸内海に面した広島県呉市の「阿賀」や、兵庫県姫路市の「英賀」など、いずれも「水」と関係する場所だ。

 

■参考資料

『地名は災害を警告する』(遠藤宏之著/技術評論社)

『あぶない地名〜災害地名ハンドブック』(小川豊著/三一書房)

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