宇宙

天宮1号に続き2号も…?中国版宇宙ステーション実験機「軌道はずれ高度下げる」

 制御不能に陥った中国版宇宙ステーションの実験機「天宮1号」が南太平洋に落下した事件は記憶に新しいが、後継機の「天宮2号」も最近、正常な軌道をはずれて、高度を100キロ近く下げていたことが、米戦略軍(USSTRATCOM)の関係筋によって明らかになった。

 

 2022年ごろを目標に独自の宇宙ステーション開発を目指している中国は、2011年の天宮1号に続いて、2016年9月に2号を打ち上げ、有人宇宙船「神舟9号」から「11号」とのドッキングを繰り返し、天宮2号の内部で生命科学の実験などを実施してきた。

 

 米戦略軍の統合軍宇宙構成部隊によると、天宮2号は今月13日、高度を本来の約390キロから約295キロに下げて、地球により近い軌道へ移った。しかし、その10日後には再び元の軌道に戻ったことが追跡データで確認されているという。

 

 ハーバード大学のハーバード・スミソニアン天体物理学センターで人工衛星の軌道を追跡している天体物理学者ジョナサン・マクダウェル氏は23日のツイッターで、「奇妙だ。天宮2号はこの動きによって相当量の燃料を消費したはずだ」と指摘。

 

 「中国載人航天(China Manned Space)」は今回の軌道変更について何も明らかにしていないが、天宮2号を打ち上げた2016年には、搭載燃料を1トンと発表していたことから、現在残っているのは推定約680キロ程度だろうとマクダウェル氏は試算している。

 

 「それだけあれば、通常軌道からダイブ(飛び込む)して再び浮上することはできますが、今回の妙な動きは、天宮2号が役割を終了して大気圏に再突入させるときに備えた制御実験かもしれません」とマクダウェル氏。

 

 中国は2019年にも宇宙ステーションの中核となる「天和」を打ち上げ、本格的な建設に着手する計画を進めている。マクダウェル氏は「中国は天和でも天宮2号と同じか、似た推進システムを使う可能性があり、今回の軌道変更は天和のエンジン性能を試すための実験ではないか」と推察している。

 

 天宮1号が地球に落下したときの騒動は、中国の宇宙開発技術に対する国際社会の不信感を高める不名誉な結果となった。次に役目を終える天宮2号は、より制御された方法でまっとうさせなければならないという国家の威信がかかっている。

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