宇宙

世界初・巨大風船で熱帯魚が宇宙へ飛んだ!帰還に成功(動画)

 風船を飛ばすことで宇宙の撮影を行っている宇宙ベンチャー「岩谷技研」は、熱帯魚を搭載した特製水槽を成層圏に飛ばし、帰還させるという世界初の実験を成功させた。

 

 6月21日、沖縄県宮古島の波止場から、巨大な風船が成層圏に向けて旅立った。7000リットルのヘリウムボンベ3本を使って浮上する風船には、生きた淡水熱帯魚「ベタ」が入った特別製の水槽(キャビン)が吊るされており、高度25キロ上空を目指すという生物実験だ。

 

 この実験を率いるのは、風船を使って宇宙の撮影を行っているベンチャー企業「岩谷技研」。代表者の岩谷圭介さんは、北海道大学工学部で航空宇宙工学を研究したエンジニアで、自然科学者だ。

 

 これまでにも民間企業からの依頼や研究のために無人風船を飛ばしてきたが、今回の実験は初めて生物を飛ばし、無事に帰還させるというもの。将来の有人宇宙観光事業の布石として、温度変化や加速度変化に強い魚を搭載し、さまざまなデータを取得するのが目的だ。

 

 魚を初めて飼う初心者にもお馴染みの「ベタ」は、振動や騒音などのストレス耐性があり、温度変化にも強い魚だが、空気のない成層圏では、内部の気体が膨張しようとするため、爆発するおそれがある。そのため、1000kgの圧力がかかっても壊れないよう、宇宙服と同じ特殊プラスティックを採用した一辺45センチのキャビンをボルト12本でしっかりと締結。

 

 7000リットル入りのボンベ3本分を入れた巨大なヘリウム風船で成層圏に到達したベタは、1時間半の宇宙飛行を体験したのち、無事に沖縄の海に着水し、回収された。現在も元気で岩谷さんの自宅で暮らしているという。

 

 

 実験の結果、風船の打ち上げ時と切り離したあとの落下時、海への着水時にジェットコースターの最大加速度並みの3Gから、交通事故と同じくらいきつい8Gの加速度がかかっていたことなどがわかった。一方で、水槽内の温度変化はわずか2℃にとどまり、気圧については、飛行機や新幹線に乗ったときの圧力変化よりはるかに小さいことも判明した。

 

 岩谷さんは今回の実験で得られたデータを詳しく解析し、次の実験に向けて活かしたいと話している。

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