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東京湾のクジラは「黒潮大蛇行」が原因!「過去2番目の南下」長期化の可能性(動画)

 昨年8月以来続いている「黒潮大蛇行」は、今年4月には蛇行位置が過去2番目に南下していたことが海上保安庁の調査で明らかになった。この影響でカツオなどの漁場が変化する一方、東京湾ではクジラが出没するなど、海の生態系にも大きな影響を及ぼしている。

 

 黒潮は通常、東シナ海を北上して九州の南から太平洋に入り込み、本州の南岸に沿って北上し、房総半島沖を東に流れるコースをとる。しかし、いったん大蛇行が始まると、紀伊半島から東海沖にかけて大きく離岸し、流れが「く」の字を描くように南下。

 

 蛇行した黒潮と本州南岸の間には、海底から冷たい海水が湧き上がり、「冷水渦」となって沿岸の漁場に影響したり、低地では浸水などの被害が生じる可能性がある。

 

 先月22日から23日にかけて測量船で観測した海保によると、海流の蛇行位置は昨年11月より、さらに30キロほど南まで下がり、現在も継続していることが確認された。さらに今年4月には、北緯30.2度と、1965年の観測開始以来、過去2番目に南下していたことも判明した。

 

 海保によると、黒潮大蛇行は1965年以来、今回を含めて6回発生しており、流れの最南下位置が南に行けば行くほど長期化する傾向がある。継続期間が最も長かったのは、1975年8月から1980年3月まで4年8カ月にわたって続いたケースで、このときの最南下位置は、北緯30度だった。

 

 今回の観測結果について、東京海洋大学の長井健容助教は「大蛇行により房総半島南岸では、通常より黒潮が接岸し、本来ならば外洋に生息する生物が沿岸に寄ってきている」と述べて、東京湾で最近、相次いで目撃されているクジラについても、黒潮大蛇行との関連性を指摘している。さらに「遠州灘の南方では冷水渦によってカツオなど暖流系の魚の漁場が形成されにくくなっている」と懸念している。(クジラの動画は、千葉県船橋市のつり船「内木」船長、内木 章人さんのFacebookより)

 

 

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