歴史

防災歳時記8月21日ニオス湖で起きた怪奇現象

 今から27年前、1986年の今日8月21日の夜、午後9時すぎ。アフリカ カメルーンの北西 オク火山山頂にある火口湖「ニオス湖」で『何か』が起きた。

 

 そして翌日、湖から20キロ圏内の村で、約1800人の住民と家畜3500頭の死体が発見された。

 

 ベッドの中で眠るように亡くなっている死体や、道路に横たわる死体。

 

 外傷が全くないだけに、それは「中性子爆弾」か「宇宙人」の攻撃でも受けたかのような光景だった。

 

 死体を調べたところ、死因は「酸欠」だった。

 

 何らかの理由で、ニオス湖に溶け込んでいた二酸化炭素が爆発的に空気中に放出され、渓谷伝いにふもとの村々を音もなく襲っていた。

 

 放出された二酸化炭素の量は推計160万トン。

 

 放出後のニオス湖は、水位が約1メートル下がり、変わり果てた赤茶けた色をしていた。

 

  この二酸化炭素放出の原因としては、「地すべり説」や「小規模な噴火説」、「雨による湖水の対流説」などがあげられているが、いずれにせよ何らかの原因 で、ラムネのふたを開けた時に勢いよく炭酸ガスの泡が吹き出るように、巨大な量の二酸化炭素が発生し、人々を襲ったのだ。

 古来、地震、噴火、津波、台風などさまざまな自然災害を人類は経験してきたが、いまだ「経験のない」もしくは「予想だにしない災害」というのもあるかもしれない。

 

 このニオス湖の事件を教訓に、他にも二酸化炭素が「過飽和」の状態で水に溶け込んでいる湖を探したら、同じアフリカのルワンダにあるキブ湖がそうだった。

 

 ただしキブ湖の面積はニオス湖の約2000倍。同じような湖水爆発が起きたらニオス湖の比ではない。

 

 そして歴史を調べると1000年ごとに同じような災害を実際に生み出しているらしい。

 

 日本は、火山と温泉の国。当然ながら二酸化炭素の溶け込んでいる湖もある。

 

 しかしながら日本の場合は、対流したり、流れがあったりして二酸化炭素がサイダーのように「過飽和」の状態にある湖は、少なくとも巨大な災害になる規模ではないと言われている。

 

 一安心ではあるが、油断はできない。

 

 火口湖の湖底でひとたび火山活動が起きれば、「これまでそんな災害は起きなかったから、将来も起きない」という保障はどこにもない。

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