歴史

防災歳時記8月28日キング牧師と言霊の力

 今から50年前、1963年の今日8月28日。首都ワシントンD.C.での人種差別撤廃を求めるワシントン大行進に集まった20万人以上の群衆の前で、歴史的な演説が行なわれた。

 

「I have a dream」

 

 誰でもご存知のマーティン・ルーサー・キング =キング牧師の名スピーチだ。

 

 だがはて?「I have a dream」は知っているが、その後にはどんな話が続いていたのだっけ?

 

 いったい彼はどんな「夢」を持っていたのか?正解は以下のとおり。

 

 

 「私は夢を持っている。いつの日かジョージアのレッドヒルで、かつて奴隷だった人たちの子孫と、奴隷所有者だった人たちの子孫が、兄弟愛というテーブルに一緒につく日がくることを。

 

 

 当時の米国人の多くも、きっとこの演説をすべて覚えていたわけではなかったろうが、「I have a dream」と聞けば、キング牧師が「人種差別のない平等な世界の実現」を夢見ていたことは理解でき、「政治的メッセージ」としてはそれで十分だったのだろう。

 オバマ大統領の大統領選勝利演説も同様だ。

 

「Yes, We can !」

 

 いったい何ができるんだっけ?

 

 実際この後には、差別のない社会や、雇用の創造や、科学の発展などといったことが「できる」と続けられている。

 

 こんな「名演説」が生まれるのは「英語ならでは」なのか?

 

 「寸鉄人を刺す」と言うが、多くの人々が心を一つにするには、やはりみんなが簡単に共有・共感できる「短い言葉」が重宝だ。

 

 いや、逆に「言葉」こそが人を突き動かすのかもしれない。

 

 そう思うと日本の政治家の名演説って?

 

 教科書には戦前の斎藤隆夫による「反軍演説」なんてのが載っていたが、1時間以上もある上に、いわゆる「キャッチフレーズ」としてみんなが知っているような代物じゃない。

 

 安倍晋三首相は、第一次安倍内閣で「美しい国、日本」と言い、第二次内閣ではアベノミクスの「3本の矢」と言っているが、「I hava a dream」や「Yes, We can !」に比べると、いささか迫力というか熱いメッセージ性に欠ける感を否めない。(もちろん中味の問題じゃなく「語感」の問題だが)

 

 内容の良し悪しはともかくとして、故田中角栄元首相の「日本列島改造論」の方が、ギラギラとしたメッセージがリニアに伝わってくるかんじがする。(結果はかなりのインフレと、地方ばらまき政治を生んだが…)

 

 やはり、日本語が難しいのか?

 

 それとも日本の政治課題が「損得」ばかりで、「心を打つ」ような類いのものではないからなのか?

 

 考えてみれば、日本人による名演説で、みんなが知っているものと言って思い出すのは、長島監督の「巨人軍は永遠に不滅です!」ぐらいなものか。

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