歴史

防災歳時記8月29日日本最大の無人島 渡島大島

 北海道の最南端 松前町から約50キロ、船で約3時間。

 

 日本海に浮かぶ渡島大島(おしまおおしま)は、日本最大の無人島。

 

 面積は約9.73平方キロメートル。東京都の中央区よりちょっと小さいぐらいの大きさだ。

 

 今から272年前の1741年(寛保元年)、名君の誉れ高い8代将軍徳川吉宗の時代の今日8月29日に、渡島大島の対岸の熊石から松前にかけて大津波が押し寄せ、1467人の死者を出した。

 

 その前日に、渡島大島の寛保岳が大噴火を起こしていた。

 

 津波の原因は、大規模な山体崩壊とも、低周波地震によるものとも言われている。

 

 この約50年後には、「島原大変肥後迷惑」として有名な雲仙普賢岳の山体崩壊による大津波が発生して、約1万5000人の死者を出している。

 

 江戸中期は、「火山活動による大津波」が続発した時代だった。

 渡島大島は今もランクBの活火山だが、島国日本にはこうした「火山島」が実に多い。

 

 誰でも知っているのは「桜島」だが、初島以外の伊豆諸島はみんな火山島だし、遠くは「硫黄島」などなど。

 

 気象庁による常時観測対象で、最も火山活動が活発なランクAの活火山13のうち半数近い6つは「火山島」だ。

 

 伊豆大島、三宅島、伊豆鳥島、硫黄島、諏訪之瀬島、桜島。

 

 これらの島の多くは、海底からそびえ立つ巨大な火山の8合目から上みたいなものだ。

 

 ちなみに渡島大島の最高峰は海抜737メートルの江良岳だが、海底から見ると、渡島大島全体が2000メートル級の巨大火山の一部。

 

 だから海岸から500メートルも沖に出れば、水深は100メートルを超えるほど急峻な地形で、人を寄せ付けない。

 

 この地形と水源もないことが幸いし、渡島大島は島全体が天然記念物に指定され、オオミズナギドリの北限の楽園として、今も人間界との交渉を絶っている。

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