環境

地球温暖化で水俣病の原因となった「水銀汚染」が進行

 米国地質調査所(USGS)とハーバード大学の研究チームは27日、地球温暖化により引き起こされる異常気象のために、有害物質である水銀による環境汚染が進行していると警鐘を鳴らす内容の論文を発表した。

 

 毒性の極めて高い「メチル水銀」は、日本でも「水俣病」の原因として知られるが、こうした水銀類は火力発電のために燃やす石炭や小規模な金鉱山での精錬作業によって主に排出され、大気中に拡散した後に、再び地中深くに蓄積されていく。

 

 しかし同論文によると、地球温暖化で非常に激しい嵐が各地に多発することにより、大規模に土地が浸食され、「地中深くに眠っていた水銀」が雨とともに川などに流れ込み、地表に拡散しつつあるとのこと。

 

 また異常気象による雨不足(=異常乾燥)で大規模な森林火災が発生しやすくなっているが、こうした森林火災の際にも、風によって水銀が人間の生活圏に運ばれている。

 

 猛毒のメチル水銀は、水俣病などでも問題になったように、プランクトンなど微生物が最初に摂取し、食物連鎖の過程で次第に濃縮されて毒性を増していく。

 

 現在、地球上では年間2000トンの水銀が排出されており、今後の排出規制がうまく進めば2050年までに年間800トンまで減らすことが可能だが、このままの排出ペースをたどった場合には2050年の年間排出量が3400トンに達するとして、同論文では水銀拡散の危険性について警鐘を鳴らしている。

 

 

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