歴史

防災歳時記10月6日 鳥取県西部地震と子泣きじじい

 今から13年前、2000年の今日10月6日、山陰地方でM7.3の鳥取県西部地震が発生した。

 

 この地震の特筆すべき点は、M7.3という規模にもかかわらず犠牲者を一人も出さなかったことだろう。

 

 偶然にも鳥取県では地震の2ヶ月前に震度6強を想定した防災訓練を実施。地震当日、消防当局や行政は発生から10分後には動き始めることができたという。生き埋めになった人もいたが、救助活動で助けられたのは、日頃の防災意識や訓練の賜物だったと言えるだろう。

 

 しかし、その一方で家屋やインフラなどの被害は決して小さくなかった。

 

 全壊家屋は394戸、半壊家屋は2494戸を数え、ライフラインの被害は15,000件を超えた。沿岸地域では液状化現象によって港湾などが損害を受け、斜面崩壊や落石などによって多数の道路や鉄道が不通となっている。

 

 特に最大震度の6強を記録した鳥取県境港市の被害が酷く、市街地だけでなく、写真をご覧の通り、港湾でも大きな打撃を被った。

 境港市と言えば、地元の有名な観光スポットをご存知だろうか。市内の商店街に設置された水木しげるロードである。

 

 同市は「ゲゲゲの鬼太郎」著者・水木しげるの出身地で、街の至るところに妖怪の銅像が立ち並んでいる。

 

 水木しげる記念館の銅像も含めるとその数は現在153体あり、鬼太郎に始まり、ネコ娘、砂かけババア、ぬりかべ、子泣きじじい…と、いずれも日本人には馴染み深いキャラクターばかりが並ぶ。

 

 そんな妖怪たちの経歴を眺めているうちに、一つ、怖い言い伝えが浮かび上がってきた。

 

 なんでも「子泣きじじい」は、もともと四国に伝わる妖怪で、泣くと「地震を起こす」という。

 

 ま、まさか?

 

 慌てて境港市の銅像設立年を確認してみると、1997年に最初の80体が設置され、それ以降、順次追加されている。

 

 地震が起きたのは2000年。肝心の子泣きじじいの設置年数が不明なのだが、その年の10月6日、地元で怪しげな赤ん坊の鳴き声を聞いた人が…まぁ、いるわけがない。

 

 ただ、この子泣きじじいの地震伝説、いつの日か、災い転じて「鳥取県西部地震で一人の犠牲者も出さなかった防災の神様」として、日本中に広がるかもしれない。

 

 そのときは、地震の2カ月前に訓練をしていたという鳥取県の防災エピソードも伝わることを願いたい。

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