歴史

防災歳時記10月24日 超音速旅客機の夢

 20世紀少年にとって、『超音速旅客機』は未来世界の夢だった。

 

 そして昭和の少年たちは、初めて「コンコルド」を見たとき、「恐ろしくかっこいい」と思った。

 

 しかし今から10年前、2003年の今日10月24日、英国航空がコンコルドによる営業飛行を終了し、夢の超音速旅客機はすべて引退することが決定。

 

 27年という、その短い歴史に幕を降ろした。

 

 最高速度マッハ2を実現するため、獲物を狙い、あごを引いた怪鳥のような流線型のフォルム。

 

 「オージー翼」と呼ばれた戦闘機のような後退翼。

 

 何がいけなかったのか?

 

 ビジネスとしてコンコルドの実態は、その「かっこよさ」とは裏腹に「いけないことだらけ」だった。

 

まず第一に、超音速で飛行するために「ソニックブーム」という衝撃波が起きることから、世界各国の空港で「乗り入れ拒否」を受けた。

 

 次に、ものすごく燃費が悪いため、太平洋を無給油で越えられず、日本など「極東航路」には就航できなかった。

 

 さらに、定員は100人。大変な「大食い」で、かつ定員は少ないため、運賃が通常便のファーストクラスよりさらに高かった。

 人類はコンコルドの引退により超音速旅客機(SST)の夢を諦めたのか?

 

 いや、そんなことはない。

 

 各国とも新たなSSTの夢を追い求めて、現在も、しのぎを削っている。

 

 そして日本も、その中の一国だ。

 

 「新たなSST物語の主人公」は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)。

 

 コンコルドの急所となった「ソニックブーム」の発生を克服するための「低ソニックブーム設計概念実証実験『D-SEND#2(フェーズ2)』。

 

 20世紀少年の期待を裏切らない、コンコルドをほうふつとさせる「D-SEND#2」試験機のその勇姿。

 

 今年8月15日にスウェーデン上空約30キロの高度に打ち上げた気球から、この試験機を切り離し、ソニックブームの発生状況を計測する第1回試験が行なわれた。

 

 機体分離から約1分後にD-SEND#2試験機はなぜか「制御不能状態」に陥り、予定コースを外れ、試験は「延期」になってしまったが…。

 

 前途は多難なようだが、そのフォルム、少年の夢を乗せて飛び立つには十分な「かっこよさ」であることだけは間違いない。

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