歴史

防災歳時記11月20日 国際宇宙ステーション誕生から15年

 今から15年前、1998年の今日11月20日、現在、若田光一さんが日本人初の船長として滞在する国際宇宙ステーション(ISS)の最初のモジュール「ザーリャ」が打ち上げられた。

 

 それからすでに15年。

 

 子どものころは、「未来のSF」と思っていた「宇宙ステーション」だが、今の子どもたちにとっては、「東京駅」や「大阪駅」というのと同じように、リアルな存在なのだろう。

 

 いつの日か、「宇宙ステーション」を経由して、一般の人が宇宙旅行に出かける未来も来るのだろうが、どうも宇宙に長期滞在するということは、ISS誕生から15年経った今でも、さまざまな問題や謎が残されているようだ。

 

 その一つが「宇宙病」。

 

 無重力状態に長期間さらされることを前提にしていない人間の体は、地上では起こりえないさまざまな症状?に見舞われるらしい。

(1)身長が伸びる

 

 頸椎や脊椎や腰椎の間の、普段は圧迫されている軟骨の部分が、重力から開放されるのだから「想定の範囲内」だが、伸び方がハンパじゃない。

 

 向井さんや毛利さんも5センチ、最大で7センチ以上身長が伸びた宇宙飛行士もいる。これだけ背骨が伸びれば、筋肉も引っ張られるわけで、ISSに到着してしばらくの間は背中や腰が相当痛いらしい。

 

 

(2)顔が大きく丸くなる

 

 無重力状態では、地上にいる時より、約2リットルの体液が下半身から上半身に移動する。これを「体液シフト」と呼んでいるが、顔は大きく丸くなり、首が太くなったりする一方で、下半身は細くなる。

(3)体液が減って、体重が減る

 

 体液シフトによって、上半身に血液が集まると、人間の体は「体液量が多すぎる」と判断して、水分を体外に放出しようとする。これでは水分が減ってドロドロ血液になってしまうから、人間の体は血液を薄めるように、自動的に血球の数などを調整する。

 

 この結果、血液の量は減り「宇宙貧血」と呼ばれる状態になる。

 

 

(4)頭が爆発するような頭痛に見舞われる

 

 この症状は、まだ原因が明らかになっていないが、ISSに長期滞在した宇宙飛行士の多くが「頭が爆発するような」、あるいは「頭が異常に重くなるような」激しい頭痛を経験しており、「宇宙頭痛」と呼ばれている。

(5)眼球の裏側が平らになる

 

 これも原因不明だが、昨年(2012年)に研究 論文が発表されている。その論文によると、ISSに長期滞在した宇宙飛行士27人をMRI(磁気共鳴画像撮影装置)などで調査した結果、宇宙飛行士の 33%に視神経周辺の脳脊髄液の過剰分泌が見つかり、22%から眼球の裏側が平らになる症状が、また15%は視神経の肥大化、さらに11%に脳下垂体の変 化が見られたという。

 

 この不思議な脳と目の障害は、脳へ圧力がかけられた時の症状に似ているというが、この新たな「宇宙病」の原因を究明するというのも、今回の若田さんのミッションの一つに含まれており、若田さんは、定期的に眼圧などを計測している。

宇宙飛行士は単にロケットで空気のない宇宙に行くから危険なだけでなく、今でも自分自身がある種の「人体実験のモルモット」にならなければいけないのだ。

 

 しかしオバマ大統領やNASAが目指す「火星有人飛行」では、1年以上も宇宙空間を旅しなければいけないから、夢の実現のためには「宇宙病の克服」が必要不可欠。

 

 15年経った今も、「危険と隣り合わせ」で人類のフロンティアを切り拓くISS。

 

 今日11月20日世界標準時午前0時(日本時間午前9時)から、ISS誕生15周年を記念して、ツイッターで「World-Wide Wave」が開催される。

 

 米航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関(ESA)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、カナダ宇宙庁(CSA)が1時間おきにツイートしてお祝いするとのことで、一般の人にもハッシュタグ「#ISS15」で参加を呼びかけている。

 

 到底「楽な商売」とは言えない「リアルな宇宙兄弟たち」のご苦労を、こんな機会にねぎらってはいかが。

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