歴史

防災歳時記12月6日 世界最大級の爆発事故とヒロシマ

 今から96年前、1917年の今日12月6日、朝もやの中、フランス船籍の貨物船モンブランはカナダ・ハリファックス港に入港するために北上していた。

 

 船舶のルールは右側通行なのに、同じ側を正面から南下してくるベルギー船籍の貨物船イモが見えた。

 

 自分たちが正しいと思っているモンブランは汽笛をならし続けた。

 

 しかし当時のハリファックス港では、「埠頭から遠くなる」という理由で、左側通行が慣例になっていたのだ。

 

 両船が汽笛の鳴らし合いをしているうちに、2隻は衝突。

 

 モンブランの船倉と甲板には、軍需物資のベンゼンとトリニトロトルエン(TNT 軍用火薬)が大量に積まれていた。

 

 衝突の衝撃で倒れたドラム缶から漏れたベンゼンに引火した瞬間、到底、消火作業は出来ないと思ったモンブランの乗組員たちはボートで一目散に船から逃げ出した。

 

 無人のモンブランは、そのまま25分間 炎上しながら漂流し、多くの消防隊、救助隊、見物客が待つ埠頭に到着した瞬間、大爆発を起こした。

 

 モンブランに積まれていた火薬類は約2600トン。

 

 一瞬で約2000人が死亡し、約9000人が負傷、ハリファックス市の大部分が灰燼に帰した。

 爆発によりモンブランは跡形もなく吹き飛んだが、その錨の一部は現場から5キロも先で発見されており、爆発の衝撃の凄まじさを物語っている。

 

 当然ながら裁判では、両方の船が相手の過失を責め立てたが、それと同時に、どうしてここまで被害が拡大したのかもまた焦点になった。

 

 そして皮肉にも、この事件の調査結果から、爆弾(爆薬)というものの威力は、爆風による地上反射波と入射波の融合面で2倍近くまで上昇するということが分かった。

 

 分かりやすく言えば、「爆弾は地上に置いて爆発させるより、空中で爆発させた方が威力が大きくなる」ということ。

 

 だから広島や長崎に落とされた原子爆弾は空中で爆発させているのだ。

 

 史上最悪の爆発事故が、史上最悪の戦争被害を生んだ。

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