地震

東北巨大津波 起きないはずの「地震性すべり」が発生

 東日本大震災で大きな被害を生んだ巨大津波が発生するためには、震源から約100キロも沖合の日本海溝の海溝軸付近まで、水平方向に約50メートル、垂直方向に約7-10メートルほどの大規模な「地層の滑り=地震性すべり」が起きていなければならない。

 

 しかし一方で、これまでの研究では、プレート境界断層の浅い部分は滑りにくく、「地震性すべり」は起きないとされてきた。

 

 6日に発表された海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究は、巨大津波生成の謎を解き明かす、この「地震発生時の海溝軸付近の地殻変動の状況」を解き明かした。

 

 JAMSTECは、震災後の2012年4月から7月にかけて、地球深部探査船「ちきゅう」で、水深約6900メートル、海底下約850メートルを掘削して、残留摩擦熱の計測と地質試料の採取を行なった。

 

 その結果、やはり、起きるはずのない場所で広範囲に「地震性すべり」が発生していたことが明らかになった。

 

 この調査で、東日本大震災を引き起こしたプレート境界断層先端部は、なんと厚さ5メートル以下と極めて薄い断層帯だったことが判明。

 

 さらに、その断層物質は、強度が弱く、水を通しにくい遠洋性粘土(スメクタイト)を約78%も含んでいることも分かった。

 

 地震発生時に、断層面で発生する摩擦熱により膨張した水が、水を通しくい粘土層にはさまれて、まるで大雨の日に自動車のタイヤが滑る「ハイドロプレーン現象」のような状態で、断層面の浅い部分が、広範囲に滑ったと考えられる。

 

 これまでの「地震学の常識」をくつがえす、この研究成果は、計3本の論文として科学誌サイエンスに6日付けで掲載される。

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