歴史

防災歳時記12月16日 天然記念物をペットにする

 天然記念物といえば、すぐ思い出すのは、「イリオモテヤマネコ」とか「トキ」とか……。(これらは正確には『特別天然記念物』だが)

 

 こうした天然記念物、例えばトキをペットにしようと思う人はいないだろうし、実際しようとしたら「お縄」になることは間違いない。

 

 しかし、誰でも手軽に、「お縄」にもならず、ペットとして飼うことのできる天然記念物がいる。

 

 今から77年前、1936年(昭和11年)の今日12月16日に、天然記念物に指定された動物、それは『柴犬』。

 

 いや恐れ入った。一昔前は、そこらへんの家の庭先で留守番をしていた、そして最近も「豆柴」なんていわれて人気犬種の地位に揺るぎない「犬っころのあいつ」は、畏れ多くも「天然記念物」だった。

 

 日本古来の犬、いわゆる「日本犬」は明治以降、洋犬の移入などにより雑種化が進み、昭和初期には「純粋な日本犬」は都市部でほとんど姿を消したそうだ。

 

 このために日本犬保存会が作られ、7つの在来犬種が保存の対象となり、文部省(現文科省)によって順次、天然記念物に指定されていった。

 

 実際、この7犬種のうち、「越(こし)の犬」という種類は、1971年(昭和46年)に純血種が絶えてしまい、現在は秋田犬、甲斐犬、紀州犬、柴犬、四国犬、北海道犬の6犬種となっている。

 

 そしてこのうち生息数の約80%を占めるのが、おなじみのあいつ、柴犬だ。

 現代でこそ、キャンキャンと吠えもせずに、おとなしく留守番をしている柴犬だが、この国では縄文時代からすでに人間と狩猟に出かけていたらしい。

 

 縄文時代の遺跡からは人間とともに埋葬された柴犬の骨も見つかっているから、もう付き合いは、かれこれ1万年以上になる。

 

 そんなに付き合いも長く、賢いはずなのに、柴犬は「警察犬」にはなれない。

 

 日本警察犬協会で、警察犬の犬種は、エアデール・テリア、ボクサー、コリー、ドーベルマン、ゴールデン・リトリーバー、ラブラドール・リトリーバー、ドイツシェパードの7種と決められているからだ。

 

 しかし、柴犬だって警察犬になれる道が一つだけある。それは一般の人が飼育している犬を警察犬として採用する「嘱託警察犬」制度。

 

 嘱託警察犬になるためには、年1回、各都道府県警察が開催する審査会で「臭気選別」や「足跡追及」などのテストに合格しなければならない。

 

 そして先月中旬に鳥取県警で行なわれた審査会に、柴犬の小太朗(2歳)が初挑戦、そして今月11日に見事合格の通知が…。

 

 果たせるかな小太朗は全国で2匹目の「柴犬警察犬」となった。

 

 鳥取県警は、すでにトイプードルの警察犬も採用しており、これがあろうことか「可愛すぎる警察犬」として人気を博し、今年2月からは広報犬にも任命されている。

 

 負けるな柴犬!がんばれ小太朗!

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