歴史

防災歳時記12月19日 トルコ風呂と地震学者

 今から29年前、1984年(昭和59年)の今日12月19日、東京都特殊浴場協会は『トルコ風呂』を『ソープランド』と改称した。

 

 そもそも今にして思えば、失礼千万なネーミングである。

 

 実際、トルコに日本で言うところの「トルコ風呂」は本来存在していない。

 

 トルコ風呂の語源となったトルコの「ハンマーム」は、ただの公衆浴場だ。

 

 それが西欧経由で、わけの分からない「いやらしい妄想」とともに日本に伝えられ、いわゆる「トルコ風呂」の語源となった。

 

 日本に来たトルコ人は、当然ながら憤慨した。

 

 そして、1981年から3年間、東大に留学していたヌスレット・サンジャクリさんもその一人。

 

 1984年に再来日した際、当時の厚生相だった渡部恒三氏に名称変更を直訴、当時はまだジャーナリストだった小池百合子氏も協力した。

 こうした運動の甲斐あって、1984年12月に特殊浴場協会は「トルコ風呂」に代わる名称を一般公募、めでたく「ソープランド」という、より実態に即した?名称に生まれ変わった。

 

 どうして「防災情報サイト」で「トルコ風呂」の話題なのか?って。

 

 この改称運動のきっかけになった留学生ヌスレット・サンジャクリさんの留学先は、東大地震研究所。

 

 そう、サンジャクリさんは地震学者だったのだ。

 

 「地震学が日本とトルコの友好関係をさらに良好なものにした」なんて「無理め」なことを言う気は毛頭ないが、トルコに帰国したサンジャクリさんは、日本語学校や日本トルコ友好協会を設立、実際、日本とトルコの友好関係のために尽くしている。

 

 いずれにせよ、日本とトルコの二国間関係が損なわれることがなかったのも、そして今どき「トルコ風呂」なんて言ったって若い人は誰も分からないほどに世間からきれいに消え去ったのも、一人の若き地震学者が日本に留学していたおかげなことは事実のようだ。

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