歴史

防災歳時記12月22日 ホワイトクリスマスなんていらない?

   街にイルミネーションがきらめくこの季節、天気予報を見ては「ホワイトクリスマスにならないかなぁ」と期待する人も少なくないだろう。


   ただ、もし期待を上回りすぎる雪が降ったら……。


   今から8年前の今日12月22日、全国各地で「もう勘弁して」と言いたくなるほどの大雪に見舞われた。いわゆる「平成18年豪雪」だ。


   気象庁の3ヶ月予報では「暖冬」と見込まれていた2005年。しかし、その予想は12月上旬、強い寒気が流れ込んだことで早々に覆り、太平洋側で12月4〜6日にかけて相次いで例年より早い初雪を観測した。岐阜県郡上市では119センチの積雪があったほどだ。


   その後も断続的に強い冬型の気圧配置が現れ、12月中に歴代最深積雪の記録を更新する地点が続出。例年、雪のピークは1月後半から2月で、12月の記録更新は珍しく、連日雪のニュースが新聞やテレビを賑わした。

   そして、クリスマスも間近に迫った12月22日、再び強い寒波が流れ込み、天気予報図は雪だるまのマークでいっぱいに。鹿児島市で観測史上最高の11センチの積雪があった他、宮崎市でも1センチの雪が積もった。


   この大雪、しんしんと降るなどという可愛らしいものではなく、九州北部から東北の日本海側を中心に暴風が吹き荒れ、まるで横から叩きつけるような「吹雪」だった。金沢市と新潟市では最大瞬間風速33メートルを観測している。


   暴風雪の影響で、新潟市など下越地方では送電線がショートし、午前8時過ぎから最大65万戸で停電が発生。新潟県内の総世帯数が約87万と聞けば、どれだけ大規模だったか想像できるだろう。


   新潟県内では1000基を超える信号が停止し、朝のラッシュ時に重なったことで交通渋滞がいたるところで起きた。銀行ATMも使用不能になり、ガソリンスタンドやコンビニ、スーパーも続々と営業をあきらめた。停電は長いところで翌23日午後3時過ぎまで続いたという。


   この段になって、ようやく気象庁も「暖冬」の予想を撤回した。


   だが、大雪の猛威はおさまるところを知らず、12月25日には新潟市と秋田市を結ぶJR羽越線で特急「いなほ14号」の脱線事故が発生。年が明けても、暴風雪で秋田新幹線が一晩立往生したり、国道が遮断されて新潟県津南町と長野県栄村の190世帯が孤立するなど、被害が絶えなかった。


   一連の大雪による死者は152人、負傷者は2100人超。12月の最深積雪は106地点で記録を更新し、観測史上最高を記録した地点も10地点に及んだ。


   雪は美しいけれど、ひとたび牙をむけば文字通り冷徹な自然の脅威と化す。本格的な雪のシーズンを迎える前に、過去の教訓は胸に刻んでおきたい。

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