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2013映画ランキング 「風立ちぬ」大ヒットと宮崎駿引退

   今年も残すところ、あと1日。


   テレビの冗長な特番にも飽き飽きして、そろそろ「DVDでも借りてこようかなぁ」と腰を上げる人も多いのでは。


   みな同じことを考えるもので、この時期レンタルショップの棚はすかすかだが、迷いながら品定めするのもまた一興だ。


   その助けになれば……ということで、2013年にどんな映画が流行ったのか、振り返ってみよう。まずは、興行収入ベスト10をご覧あれ(映画ランキングドットコム調べ)。


1位 風立ちぬ 116.1億円
2位 モンスターズ・ユニバーシティ 89.5億円
3位 テッド 41.5億円
4位 ドラえもん のび太のひみつ道具博物館 39.5億円
5位 名探偵コナン 絶海の探偵 35.7億円
6位 謎解きはディナーのあとで 31.9億円
7位 真夏の方程式 31.0億円
8位 ポケットモンスターベストウイッシュ 神速のゲノセクトミュウツー覚醒 30.6億円
9位 ドラゴンボールZ 神と神 30.4億円
10位 シュガー・ラッシュ 29.4億円

   ジブリ強し、である。


   宮崎駿監督は「風立ちぬ」の公開後、”引退宣言”をして話題になったが、そういえば「もののけ姫」(1997年)を作った時も、「これで最後」とか言っていたような……。「絶対引退しないよ」という声がちまたにあふれるのは、ジブリの人気の高さと宮崎監督への期待のあらわれか。


   ただ、夏に公開された「風立ちぬ」は、ユーミンの爽やかな主題歌に誘われて、「ジブリだから」と子供連れで映画館に足を運んだ人は、途中で「あ、しまった」と思ったのでは。


   この映画のモデルはゼロ戦設計者として知られる堀越二郎だが、宮崎監督自身が「二郎を『ただ飛行機を作りたかっただけなのに戦争に翻弄された可哀想な人』として描きたくない」と語っていたように、「風立ちぬ」は単純な反戦映画でもなければ、映画オリジナルのヒロイン菜穂子との青春ラブストーリーにもとどまらない。


   同じように戦時下を描いたという点では、12月21日に公開された「永遠の0」(山崎貴監督)も、最初の週末で興行5億4000万円を超え、興行収入上位になると予想される。


   しかし、岡田准一演じるゼロ戦パイロットが主人公とは言え、「永遠の0」と「風立ちぬ」を合わせて「今年は戦争モノが流行ったなぁ」と言うのはちょっと乱暴というもの。


   二つの作品がどう違うかは、両方とも映画館で上映中(「風立ちぬ」も!)なので、ご自身でご確認あれ。個人的な趣味で言えば、宮崎監督が30年前の「風の谷のナウシカ」以来こだわってきた空を舞うような”浮遊感”は、ぜひとも劇場でご覧いただきたい。


   「風の谷のナウシカ」の漫画版が手元にあれば、再読して「風立ちぬ」を見ることもお勧めする。「風立ちぬ」のキャッチコピー「生きねば」に込めた宮崎監督の思いが、より伝わってくるだろう。

   さて、他のベスト10について言えば、2位「モンスターズ・ユニバーシティ」は大ヒット作「モンスターズ・インク」(2003年)の前日譚。もふもふ怪獣サリーと目玉お化けマイクの出会いを描く。10位の「シュガー・ラッシュ」と言い、日本人はこの手のCGアニメが好きらしい。


   3位「テッド」は”おっさんテディベア”と中年ダメ男のぐだぐだ友情ストーリー。監督のセス・マクファーレン自ら声優を務めたせいか、遠慮も抑制もないテッドのNGワード連発の過激トークが痛快だ。


   あとはテレビドラマから派生した2本と、アニメが4本。「えっ、10本中4つもアニメ?」と驚くなかれ。日本国内の興行収入で、上位をアニメ映画が占めるのは毎年のことである。


   そういえば「風立ちぬ」も夏休みのアニメ映画だし、「モンスターズ」も「シュガー」もメインターゲットは子供だし、日本では子供がいないと映画館に行かなくなってしまったんだろうか……。


   せめて13日に公開されたSFサスペンス「ゼロ・グラビティ」(アルフォンソ・キュアロン監督)のような映画にも、2014年は健闘してほしい。

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