火山

西之島から桜島まで 2013年の火山活動を振り返る

 2013年現在、気象庁が認定している活火山は全国で110。

 

 そのうち三宅島や桜島、霧島山などの「47火山」は、100年程度の中長期スパンで噴火活動が懸念されると火山噴火予知連絡会に認定されており、気象庁や国土地理院、防災科学技術研究所などが監視・観測体制を強化している。

 

 実際、気象庁の最新版「週間火山概況」によると、火山の警戒レベルを表す1~5段階のうち、現在、レベル3(入山規制)に指定されているのは桜島(鹿児島県)であり、レベル2(火口周辺規制)が三宅島(東京都)、阿蘇山(熊本県)、霧島山新燃岳(鹿児島県)、諏訪之瀬島(鹿児島県)と、すべてが47火山の中から認定されている。

 

 こうした火山の現況ならびに今年の活動全般にスポットをあて、来るべき2014年に我々がどう備えるべきか、考察してみたい。

 

 2013年、日本の火山活動で最も注目されたのは、やはり11月20日に小笠原諸島西之島近辺に突如現れた火山新山であろう。

 

 海面まで火山の噴火口が隆起して出来た同新山はその後拡大を続け、12月26日にはついに西之島と一体化。現在も活発な噴火活動が続いており、約30秒~1分間隔で噴火が発生し、高さ50~100mの噴煙が出ている。

 

 わずかではあるが領土拡大の可能性があり、その安定化を願う声と共に、付近を航行する船舶には噴火や浮遊物への警戒が呼びかけられている。

 

 同じく行政上は東京都に属する三宅島では、昨年同時期の噴煙が高度0~100mまでだったのに対し今年は100~300mとなっており、前年はわずかであった二酸化硫黄の放出量も現在は1日あたり300トンと急増。ただし、火山性地震は少ない状態で推移しており、噴火の警戒度も昨年同様レベル2の火口周辺警報に設定されたままである。

 

 一方、年末になって警戒レベルを1→2へ引き上げられたのが阿蘇山だ。

 

 20日頃から火山性微動の振幅が次第に大きくなり、24日の調査では二酸化硫黄の放出量が前回調査の一日700トンから1100トンへ急増。中岳第一火口の中央付近では、高さ10m程度の土砂噴出も確認されている。

 

 そのため、中岳第一火口での火山活動が高まっており、火口から約1kmの範囲に「大きな噴石」を飛散させる危険性があると判断。27日に噴火警戒がレベル2へ引き上げられた。

 

 なお、大きな噴石とは、風の影響を受けずに弾道を描いて降りかかるサイズの噴石であり、万が一、人体に当たれば危険なことは言うまでもない。

 

 また、風下の地域については、たとえ半径1kmより外側の地域でも小さな噴石や灰が風で運ばれる可能性があり、気象庁では警戒を呼びかけている。

 

 日本で最も活発な火山といえば、やはり桜島であろう。8月18日に起きた今年500回目の噴火では、噴煙が観測史上最高の5000mに達するという、数字上の偶然の一致が発生した。

 

 鹿児島地方気象台によると、この規模の噴煙は2000年10月以来とのことだが、ただちに大噴火へ結びつけるような兆候はないとのこと。実際、それ以降、際立った噴煙は観測されていない。

 

 また、北に目を向けると、現在はレベル1に認定されている「十勝岳」について、北海道立研究機構・地質研究所が今後数年スパンで活動期に入るのではないかとの分析結果を発表した(5/13掲載)。

 

 同研究所では、1986年から周辺の火山ガスや温泉成分を観測し、その結果、2011年頃から塩化物イオンの濃度が上昇しているとのこと。十勝岳は前回の大きな噴火から24年が経過していることもあり、可能性が高まっているという見方には警戒が必要だ。

 

 十勝岳では1926年に起きた噴火の際、岩屑なだれが発生し、火口から約2.4km離れた鉱山事務所が噴火から1分足らずで飲み込まれたという悲しい事件も発生している(防災歳時記5月24日)。

■火山・噴火の詳細情報は火山情報マップでごらんいただけます。

 あなたにオススメの記事