医療技術

感染症2014 プール熱が夏場以上に冬も大流行

   「プール熱」と呼ばれ、夏風邪の一種とされる咽頭結膜熱だが、今季は11月以降に再び患者が増え、例年にない”冬場の流行”となっている。


   咽頭結膜熱は、アデノウイルスによる急性ウイルス感染症。5〜7日間の潜伏期間を経て、急にのどの炎症や発熱、結膜炎などの症状が出る。40℃近い高熱が1週間続くこともあり、感染しやすい乳幼児にとってはつらい病気だ。


   プールで感染が広がりやすいことから「プール熱」と呼ばれ、例年は夏場にピークが訪れる。しかし、本来アデノウイルスに季節性はなく、年間を通してあらわれるもので、1999年頃からは秋と春にも小さな流行の山がみられるという。

   ただ、特に今季は、9〜10月にいったん落ち着いたものの、11月以降増加に転じ、患者数は過去10年で最多に。第50週(12月9〜15日)には全国の定点医療機関あたりの患者数が0.73人と、6月のピーク時の0.71人を上回った。


   一説には、冬場もにぎわう「温水プール」が原因とも言われているが、はっきりした原因はわからない。アデノウイルスには約50種の型があり、今季は例年と異なる型が多く確認されていることから、免疫を持つ人が少なく、流行が拡大している可能性もある。

 

   いずれにしろ、咽頭結膜熱に特効薬はなく、感染したら安静にして症状がおさまるのを待つしかない。アデノウイルスの感染力は非常に強く、プール以外でもタオルや食器を介してうつるため、子供はもちろん大人も注意が必要だ。


   日常生活では、帰宅時の石鹸での手洗い、タオルなどを共有しないことが基本。プールでは、入る前と出た後にシャワーで体を洗うことが大切だ。従来は洗眼も励行されていたが、近年では目を保護する粘膜を流してしまい逆効果だとされている。プールにはゴーグルをつけて入った方がいいだろう。


   実に地味で地道だが、感染症を防ぐには日々予防策を続けることがいちばんということだ。バカにせず面倒臭がらず基本の「衛生習慣」を続け、今年も健康に過ごしたいものである。

 

■咽頭結膜熱の最新情報は感染症MAPでごらんいただけます。

 あなたにオススメの記事