経済

2014年日本経済の行方 アベノミクス景気は継続するか

 2013年の日本経済は飛躍の年であった。

 

「異次元の金融緩和」と称して推し進められた金融政策に加え、財政政策と成長戦略による「アベノミクス」が功を奏し、上場企業は業績見通しの上方修正が相次いだ。

 

 それは2012年末に1万395円だった日経平均株価が1年間で1万6291円まで56.7%も上昇した事実を見れば明らかで、この急騰劇は1972年の91.9%上昇以来の水準だったという。

 

 果たして日本経済の躍進は2014年以降も続くのか。

IMFの経済成長率見通しは下方へ

 2013年12月30日、東京証券取引所の大納会に現れた安倍首相は「来年もアベノミクスは買いです」と力強く語り、引き続きデフレからの脱却と日本経済の成長を説いた。

 

 しかし、IMFによる世界経済の見通しは、決して甘いものばかりではない。

 

 2013年の日本の経済成長率見通しが前年比+2.0%だったのに対し、2014年は+1.2%とダウン。日本経済に最も強い影響を与えるアメリカ経済は+1.6%(2013年)から+2.6%(2014年)へと上昇しているが、その分、中国が+7.6%(2013年)から+7.3%(2014年)、ブラジルが+2.5%(2013年)から+2.5%(2014年)へと成長を鈍化させており、必ずしも順風満帆な環境ではない。

 

 たしかに、アメリカでは2009年に10%台だった失業率が7%まで改善されるなど景気上昇の兆しが出ている。2013年12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金融緩和(QE3)の縮小開始が決定され、今後も日本の輸出企業に追い風となる米ドル高・円安傾向が続くと予想されている。

 

 が、これにより新興国へ流入していた米ドル資金がアメリカに逆戻しという現象が起きており、今後、ブラジルやインド、トルコなどでは資金繰りに行き詰まるリスクが懸念されている。

 

 今や金融経済によって実体経済の景況が左右されることはリーマン・ショックやギリシャ・ショックでも周知の事実。万が一、各国でデフォルト危機や通貨危機など起きれば、日本にも打撃を与えかねない。

 

円安になれば庶民の生活が負担増へ

 また、国内の経済成長の妨げになるのではないかと懸念されているのが消費税増税である。

 

 アベノミクスによって日経平均株価は上昇し、内閣府による街角の景況感(景気ウォッチャー調査)でも、最新版の2013年11月調査では53.5ポイントで、庶民の「景気は、緩やかに回復しつつある」と評価されている。2011年11月の40.0ポイント、2010年11月の45.0ポイント、さらにリーマン・ショック後の2008年11月21.0ポイントから比べれば格段に上昇しているは間違いない。

 

 しかし、こうした景況感にも関わらず、いまいちその恩恵を感じられない人がいるとすれば、それは円安効果によって様々な物価も上がってしまうためだろう。

 

 円の価値が1割下がれば、輸入品目は全体で9.8%上昇するとの試算がある(三井住友信託銀行『調査月報2013年2月号』)。これを項目別に見ていくと、食料品で10.2%、電気・電子機器で6.5%、そして石油・石炭・天然ガスに至っては14.0%もの上昇となってしまう。

 

 つまり、輸出企業が恩恵を受ける為替の円安傾向は、そのまま庶民への負担増に帰ってきており、たとえば米ドル円が80円の時代と比べると、105円の現在は単純計算で食料品が約30%、石油関連商品が約45%程の値上がりをしてしまう計算となる(実際の商品価格がそうなるかどうかは別だが)。

 

 そこへ追い打ちをかけるようにして3%もの消費税増税がのしかかれば、財布の紐がきつくなり、国内産業が停滞しかねないリスクを抱えている。

 

 安倍首相は、これを賃金の上昇で補うと述べているが、果たして給料が上がったと喜んでいる方は、日本全国でどれほどおられるだろうか。

 

 2014年は大手企業だけでなく、庶民の景気にも優しい1年となりますように。

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