医療技術

タミフル耐性変異インフルウイルス 5道府県に拡大

 国立感染症研究所は28日、今シーズン、再び流行の兆しを見せているA(H1N1)pdm09ウイルス(2009年に世界的大流行=パンデミックを引き起こした新型インフルエンザウイルス)について、タミフルなどの抗ウイルス薬に耐性のある変異ウイルス株が5道府県・20人から確認されたと発表した。

 

 この薬剤耐性インフルエンザウイルスは、昨年11月に北海道札幌市で初めて検出され、その後、札幌市に滞在していた小児が三重県内で発症しているが、1月27日までに山形県、神奈川県、大阪府でも確認され、感染地域が5道府県に拡大している。

 

 各道府県の感染例は、北海道が15人と最も多く、山形県の2人、神奈川県、三重県、大阪府が各1人となっている。

 

 同耐性変異ウイルスは、抗ウイルス薬 タミフル(オセルタミビル)ラピアクタ(ペラミビル)に対しての感受性(薬剤の効果)が500倍以上低下しているが、リレンザ(ザナミビル)イナビル(ラニナビル)といった抗ウイルス剤に対する感受性は保たれているとのこと。

 

 一般に、抗ウイルス剤への耐性を持ったウイルスは、安定性・適応性が低く、伝播・生存には不利(つまり、流行する可能性は低い)と考えられているが、今回のウイルスは複数の変異の結果、安定性や適応性が保たれており、本来のウイルスを超える感染・伝播力を獲得していると考えられる。
 
 米国やロシアなどではこれまでも「抗ウイルス剤耐性」を持つ変異ウイルスの検出例が増えているが、今シーズンは国内でも、タミフルやラピアクタという有力な抗ウイルス剤が効かない症例が増える可能性が懸念される。

 

 

■インフルエンザの最新情報は感染症マップでごらんいただけます。

 あなたにオススメの記事