歴史

防災歳時記2月10日 行列が社会現象に ドラゴンクエスト3発売

 誰もが一度は目にしたことがあるだろう。国民的ゲームとなって久しい『ドラゴンクエスト』が初めて世に送り出されたのは1986年5月のこと。

 

 中高生の間に口コミで広がり、ジワリジワリとブレイクを果たした同作品は、2作目の『ドラクエ2』にて確固たる地位を築き、ついに3作目の『ドラクエ3』では社会現象を巻き起こす。

 

 ゲームを購入するために客が行列を作るという珍事が、この作品で初めて起きたのだ。

 

 それは今を遡ること26年前、1988年の今日2月10日であった。

『ドラクエ3』は、あらゆる意味で当時規格外の作品であった。

 

 380万本という販売本数もさることながら(1は150万本・2は240万本)、『ドラクエ1』と『ドラクエ2』の世界観を引き継いで、その物語の全貌が明らかになるというシナリオ構成は斬新そのものであった。

 

 まるで映画や漫画の主人公にでもなった気分でゲームを進めることができる――。夢見がちな男子中高生たちが没頭するのも無理はない。

 

 その後、ファミコン版の『ドラクエ4』が発売され、以降、『ドラクエ5』と『ドラクエ6』がスーパーファミコンに対応。

 

 そのたびに百万本単位の売上を叩き出し、『ドラクエ7』以降はSONYのプレイステーションに移ってゲーム業界に激震が走ったが、『ドラクエ9』で再び任天堂のDSに戻り、『ドラクエ10』では初のオンライン作品としてWiiやWindowsに対応している。

 

 まさしく、このドラクエシリーズはゲーム会社の趨勢を表す作品であり、ファミコンからオンラインまで世の中の技術革新をも反映していると言える。

 

 しかし、そんな時代の移り変わりと共に、販売元のスクエア・エニックスや任天堂の天下は大いに揺らぐようになった。

 

 携帯やスマホによるアプリゲームの登場である。

 最近、皆さんが耳にすることの多いゲームは、ガンホーが提供している『パズル&ドラゴンズ』ではなかろうか。

 

 電車の中でも社会人やOLがプレイしているのを見かけるが、このゲームのダウンロード数は2400万本! 実に日本人の5~6人に1人は持っている計算である。

 

 その収益性は高く、同社決算の営業利益が2012年12月期で92億円であるのに対し、『パズドラ』が伸びた後の2013年12月期での利益は約10倍の912億円へと急増。

 

 アプリゲームは、ファミコンやプレステのようにカセットやCDなどの在庫を抱えるリスクは皆無であり、一度、データを作ってしまえば、あとは格安コストで無尽蔵に配布できる。

 

 しかもゲームに没頭した1人のユーザーから何万円ものプレイ代金を徴収する可能性を秘めており、ガンホーに限らず、昨今はKlabやコロプラなどアプリゲームの制作会社が第二のパズドラを目指して名乗りを上げている。


 しかし、そのビジネスモデルそのものが、昨今、消費者庁などでも問題にされている。

 

 アプリやオンラインゲームに熱中した中高生が、親のクレジットカード番号などを無断で使ったり、スマホで散々課金しまくった後、両親のもとに高額な請求書が届くケースが急増しているのだ。

 

 発覚したときには、時すでに遅し。請求書の金額は10万100万単位にまで膨らんでおり、途方に暮れた親たちが消費者庁へ相談するという流れである。

 

 ドラクエシリーズは、かつてゲームを買うために行列を作るという社会現象を生み出し、その後、行列をなしてカセットを購入した少年たちからそれを恐喝して奪い取る『ドラクエ狩り』なる社会問題まで引き起こした。

 

 いつの時代も少年たちはゲーム心に歯止めをかけられない。彼らが健全な環境で適度に楽しめるよう、今度は周りの大人たちが気を配る番だろう。

 

 初期のドラクエを遊んだ世代は、今、小中高生の子供を持っていてもおかしくない年齢のはずだ。

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