歴史

防災歳時記4月15日 タイタニック号の悲劇と地球温暖化

 今から102年前、1912年の今日4月15日未明、あの有名なタイタニック号が氷山と衝突し、海底深くに沈没した。

 

 タイタニック号が沈没したのは、北大西洋・カナダ東海岸のニューファンドランド島沖だった。

 

 ここはグリーンランドから南へ流れるラブラドル海流(寒流)とメキシコ湾流(暖流)がぶつかる格好の漁場だが、また一方で「濃霧の名所」としても知られている。

 

 ちなみに日本でも人気の犬種「ラブラドル・レトリバー」は、このニューファンドランド島で漁の手伝いをしていた犬である。

 

 話を本題に戻そう。このラブラドル海流の元はグリーンランド。だから往々にして氷山を乗せて運んでくる。

 

 タイタニック号処女航海の時も、この海域で流氷群が多数発見されていることが複数の船舶間無線で警告されていた。

 

 最後には船と運命をともにした船長エドワード・スミスも氷山の危険は十分察知しており、だからこそタイタニック号は通常より数10キロ南よりに針路を取っていた。

 

 またタイタニック号は、当時としては珍しい「防水区画」を設け、浸水対策を強化した「安全設計」の豪華客船だった。

 

 しかし、双眼鏡を忘れた航海士、無線での流氷群への警告を「ノイズ」として無視した通信士などの存在が重なり、結果としては最悪の事故につながっていった。

 このタイタニック号の事故を教訓に、米・カナダは共同で国際海氷パトロール(IIP)を組織、現在に至るまで常時、海流や氷山の状況を観測・通報している。

 

 100年前と違って、科学技術も体制も進歩し、現代でタイタニック号のような惨事が起きることは考えづらい。

 

 それでも、2010年にはIIPの警告を無視した船舶が氷山と衝突して、大規模な補修を余儀なくされるという事故が発生している。

 

 2007年には、死者こそ出なかったものの、南極海で流氷に衝突し、沈没したケースも起きている。

 

 そして、この数年、地球温暖化の影響で北極・南極周辺とも流氷群の数は増えている。

 

 昨年11月には、温暖化により南極氷床から、シンガポールとほぼ同じ面積の巨大氷山が南極海へと漂流を開始した。

 

 タイタニック号を沈没させた氷山のサイズは、たかだか長さ数100メートル。

 

 しかしこの氷山の大きさは、35キロ×20キロ。

 

 地球温暖化は、タイタニック号を沈めた氷山の1万倍の巨大氷山=リスクを生んでいる。

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